鳥類の受精と多精子受精
ニュースでみたのですが、静岡大学などの研究グループが顕微授精にて受精させたウズラを孵化させることに成功したそうです
これは鳥類では世界初のことであり今後希少な鳥類の繁殖に寄与することが期待されています
あんなに卵子が大きい鳥類で顕微授精の成功が初だなんて意外だなと記事を読んで思ったのですが、よく読むと鳥類は受精の際に卵子に1に対して複数の精子が侵入する必要があるそうで、これが顕微授精を難しくしていた要因らしいです。
哺乳類の場合は基本的に卵子へ侵入する精子は1つであり、それは1つ目の精子が卵子に進入する際に透明帯が変化することで2つ目以降の精子が侵入できなくなる仕組みがあるためです。むしろ多数の精子が卵子へ侵入する(多精子受精)はその後の胚の発育に影響しますので体外受精などでは問題になってしまいます
個人的には鳥類が多精子受精であることを初めて知り驚きました
何億もの精子が競い合い、たった1つの精子のみが受精できるという殺伐とした哺乳類の世界に対してみんなで仲良く受精するという戦略があったことはこれまでの固定概念を打ち消してくれました(哺乳類でも受精できなかった精子も役割はあると聞きますが)。
よく考えてみると鳥類の繁殖生理についてはあまり勉強してきませんでした。きっと鳥類のことも勉強すれば哺乳類についても新たな知見が得られそうですね
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