大切なモノ2
先週の記事で、卵巣は我々の生活に欠かせない「大切なモノ」だと書きましたが、実はもう一つとっても大切なモノがあります
それは、胚操作用のピペットです
この胚操作用ピペットは卵子や受精卵を扱うときに使用するもので、水色のマウスピース部分を口に加え、息の出し吸いをしながら、
先の細くなったガラスの部分に受精卵を入れたり出したりしています。
我々が扱う卵子や受精卵のサイズは0.1~0.5mm位ですが、ガラスの先はそれよりも少しだけ太くなるように作られています。
一日のほとんどの時間これをくわえているんじゃないかというくらい、我々の仕事に欠かせない、大切な存在です。
先日研究所にお客様が見えたときに、「どうやって受精卵を移動させたりするんですか?」という質問を受けたので説明をしたところ、
大変驚いていらっしゃいました
「飲み込んだりしないんですか!?」という質問を受けることもありますが、大丈夫!
ちょっとコツを習得すれば、そのようなことは起こりません。
でも、学生時代に生殖工学の実習で初めて胚操作用ピペットを扱ったときは、吸いすぎてしまったり、ピペットを弾いてしまったりして、
たくさん失くしていましたね~
欧米では、口にくわえるのは衛生的ではないとして、マウスピースではなくシリンジにガラスピペットをつなげているところも
あるそうですが、やっぱり精度や速さといった点では、微妙な息の出し入れにはかなわないんじゃないかと思います。
生産者の皆様にお届けする受精卵は、今日もET研職員一同がマウスピースをくわえて大切に扱っていますよ~
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