黒毛和種受胚牛への高蛋白飼料給与が栄養状態と受胎率に及ぼす影響
鳥取の家畜改良センターで行われた
黒毛和種経産牛の栄養状態と胚移植受胎率の関連性に関する報告を紹介します。
この試験では、試験期間を1期と2期に分け、1期では
混合粗飼料のみ、2期では1期のMPT(代謝プロファイルテスト)
をふまえて、圧片トウモロコシを1kg/頭・日を混合粗飼料に加えて与えました。
飼料設計は、1期はTDN(可消化養分総量)130%かつ
DMI(乾物摂取量)100%以上を基準とし、可消化粗蛋白質(DCP)
は考慮しませんでした。
圧片トウモロコシを加えた2期では、TDN120%、
DCP200%かつDMI100%以上としました。
移植胚は1期で新鮮胚49頭、凍結胚12頭
2期で新鮮胚14頭、凍結胚15頭を用いました。
結果として、ETの受胎率は、
新鮮胚が1期で36.7%、2期で64.3%であり、2期において有意に高くなりました。
凍結胚は1期が41.7%、2期が66.7%で有意差は認められませんでした。
新鮮胚と凍結胚の合計受胎率は1期が37.7%、
2期が65.5%で2期が有意に高い結果となりました。
1期および2期では、体重がおおむね維持できるように、
毎月の体重測定値をもとにTDNの充足率を微調整しました。
その結果、1期のTDN充足率は2期より20%高く、
DCP充足率は2倍以上となりましたが、
飼料中のNFC(平均でんぷん)含量は、
1期が粗飼料のみの給与であったため、2期の方が高くなりました。
蛋白質を分解するときにアンモニアが発生しますが、
このアンモニアを利用するにはNFCが不可欠です。
しかし、1期では十分すぎるたんぱく質量に対して、
NFCの量があまりにも少なく、見かけの体重は2期と変わらないものの、
実質的にはエネルギー不足となっており、これが低受胎に
つながったのではと考えられます。
人でも牛でも、見かけの体重だけではなく、
食糧の栄養バランスが大事なようです。
AM
何を言おうとしているのか大まかなことは分かりますが、繁殖和牛を始めて2ヶ月なので、飼養標準を勉強していなく、もっと詳しく資料があればみたいです。酪農は今40年目に入ります。ブログ楽しみにしてみています。
投稿: 山田伸二 | 2021年2月 2日 (火) 22:13
コメントありがとうございます。
こちらではファイルが載せられないので、
メールで直接送らせていただきます。
投稿: AM | 2021年2月 3日 (水) 10:34