プロジェステロン製剤色々
新ETシステムをはじめ、牛の発情同期化に腟内留置型のプロジェステロン製剤はなくてはならないものになっている今日この頃です。
ET研究所では主にPRIDというプロジェステロン製剤を主に使用しています。
さて、ふと海外の文献をみるとPRID-Deltaなるホルモン剤があるようで、その効果をCIDRと比較していました。
結果はホルモン製剤挿入後4日までの血中P4濃度はPRID-Deltaのほうが高く、その後の授精での受胎率もPRID-DeltaのほうがCIDRより高い傾向のようです
1つ注意点ですが、PRID-Deltaは通常のPRIDと異なりE2のカプセルは付いていません
ということはこの効果の差はホルモン剤の形状によるところが大きいのかもしれません。ちなみにP4の含有量はPRID-Deltaが1.55gでCIDRが1.38gであるためこれらの違いがもちろん影響していると考えられます。
しかし、筆者らの考察ではPRID-Deltaの表面積が155cm2でCIDRの表面積は120cm2であり、腟内でホルモン剤が接する面積はそ30%以上PRID-Deltaが大きいことを指摘しています
様々なプロジェステロン製剤が世の中にありますが、その形も様々です。今回はホルスタイン経産種牛ですが、それぞれの牛について、いったいどの形状がベストか獣医師が考える必要も出てくるかもしれません。
↑ 今回の文献で登場したPRID-Delta(左)とCIDR(右)。
↑ ET研でも使用しているPRID(左)とオバプロンV(右)。
↑ その他海外ではcue-mate(左)やCronipres(右)のようなものもあります。
どちらも先端の部分が取り外し可能で、先端部のみ交換して再利用するそうです。
国内では見かけませんが調べてみると色々なタイプが製造されていることに驚きますね
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