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2021年1月22日 (金)

ゲノム育種価と推定育種価

ゲノム育種価と県育種価で一致しないことがある。

そういった話を耳にすることがあります。

ゲノム育種価と各県等で推定している

血統情報を基にした育種価(ここでは推定育種価とさせていただきます。)

になぜ乖離が出ることがあるのでしょうか。

DNAで黒毛和牛の能力予測

こちらの記事を見ますと

育種価正確度0.95以上の種雄牛99頭、

育種価正確度0.90以上の若雄牛20頭

および育種価正確度0.80の繁殖雌牛110頭

でゲノム育種価の精度検証を行っています。

結果は

・正確度の高い種雄牛におけるゲノム育種価と

 推定育種価の相関は非常に高い

・ゲノム育種価の方が期待育種価よりも正確度が

 高く有効な早期指標となりうる

※期待育種価は両親の推定育種価の平均値から

 算出される育種価です。

・繁殖雌牛では、育種価の相関は中程度

となっております。

推定育種価の正確度が高まるほど、

ゲノム育種価との相関が高くなるということです。

特に繁殖雌牛では、採卵等で産子を確保しない限り、

自身の産子の肥育成績が集まるスピードが非常に遅いです。

また、肥育成績が少ない際は、少数の肥育記録に推定結果が

引っ張られてしまいます。

このあたりがゲノム育種価と推定育種価の乖離理由の

一つではないかと思います。

他にも安福久産子などは、乖離が出やすく、これには

性染色体上の候補遺伝子存在の可能性やゲノムインプリンティング

の影響が示唆されています。

ゲノム育種価のメリットの1つは世代間隔の短縮です。

ET研では、子牛の段階で

0.8程度の正確度でゲノム育種価予測ができます。

これは、各県等で程度は異なるかと思いますが、

大体5頭分の産子の肥育記録が得られた際の

推定育種価の正確度に相当します。

5産して、さらに生まれた子牛が肥育・屠畜されるまで

かかる時間を考えると大幅な時間短縮が

できていることがわかるかと思います。

ゲノム育種価はなるべく若い牛を対象に検査し、

保留の判断に使うのが一番効率が良いと

考えられます。

ET研究所でもゲノミック評価はできますので

ご興味がある方は、ぜひご連絡ください。

コメント

ET研と事業団ののゲノミック評価は具体的にどこが違うのでしょうか。集団の違いだけでしょうか。普通に考えれば、事業団の方が圧倒的に個体数が多く、信頼度が高そうなのですが?

繁殖農家としては、耐久性(体型等)や繁殖性もゲノミック評価できるよう、各団体がこの点に集中して取り組んでほしいです。

脱サラの牛飼い様
ブログにコメントいただきありがとうございます。
事業団さんとのゲノミック評価の違いについてですが、ゲノム評価の手法については大きな違いはございません。また、ゲノム育種価の信頼度について重要となるのが、訓練群(SNPデータと肥育成績を持つ個体)の頭数です。事業団さんの場合、公表データ上の訓練群の頭数は約12,000頭です。対して全農は約10,000頭です。この違いによるゲノム育種価の信頼度の差は大きくはないと考えられます。

体型や繁殖性等のゲノミック評価に関しては、ET研究所としても取り組んでいきたい課題の一つです。生産者の方の利益になるよう、枝肉形質以外のゲノミック評価もできるようにデータ収集に努めたいと思います。
ありがとうございます。

回答ありがとうございました。

ほぼ同等の評価であることがよく分かりました。

そこで、
1代祖安福久雌の通常ゲノミック評価と、性染色体のSNPを加えた上でのゲノミック評価の比較をブログに掲載してもらえるとうれしいです。
何かハードルがあるのかも知れませんが。
(美国桜、諒太郎系も同じかも)

久系(1ー4代祖)の多い農家の切なる願いです。

コメントありがとうございます。性染色体のSNP利用に関してですが、タイピングできるSNPの少なさや雌雄での伝達様式の違いなどゲノミック評価における課題がいくつかあるため、難しいという現状です。こういったブラックボックスになっている部分にメスを入れるような結果等が報告されたり、発見できれば、発信したいと思います。お役に立てず申し訳ございません。

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