黄体に直接クロプロステノールを打った時の効果
今回は乳牛の黄体に直接クロプロステノール(PGF2α類縁体)を打った時
の効果についての論文を紹介します。
Responses to intra-luteal administration of cloprostenol in dairy cows
対照群として、500㎍のクロプロステノールを筋肉内注射した群(IM-500)と、
0.2mlの生理食塩水を黄体内に直接投与した群(ILT-0)を用意しました。
実験群は、クロプロステノールを5、25、50、100µg黄体内に直接投与する
4つの群を用意しました。(INT-5、-25、-50、-100)
黄体内に直接投与した直後、0.5、1、2、4、8、24、48時間後
に頸静脈より採血し、P4濃度を測定しました。また、黄体の
サイズも計測しました。
P4濃度は、48時間後にIM-500、ILT-25、-50、-100の群で低下しました。
黄体のサイズは、48時間後にIM-500、ILT-25、-50、-100の群で低下しました。
48時間後にP4濃度1ng/ml前後となったのは、IM-500、ILT-50、-100の群でした。
今回の結果より、黄体溶解を起こすのに必要な黄体内注射の容量は
50µgということが分かりました。これは実際のクロプロステノールの
推奨投与量(筋注)の1/10になります。
クロプロステノールは価格も高価なので、直接黄体に投与することで
節約できそうですね。
しつこい黄体遺残の治療対象の牛などには
ダイレクトな効き目が見込めていいのかもしれません。
AM
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