胎盤停滞を防ぐ
近頃かなり冷え込んでおります
これからの季節は早朝や夜間の作業は辛い季節ですね
農家さんによって様々だと思いますが、
牛の分娩が深夜や早朝なんてこともあると思います
(分娩介護はこの時期ではなくても大変だと思いますが・・・)
この時間帯は労力がかかるのはもちろんのこと、
分娩に立ち会えず子牛が死亡してしまうこともあると思います
これを防ぐために昼に分娩させるという方法があります
昼に分娩させる方法としては、夜間給餌や既存のホルモン剤の投与が知られています。
しかし、夜間給餌方法は分娩日まで予測ができないですし、
既存のホルモン剤投与による分娩誘起では、
胎盤停滞(分娩後12時間以上胎盤が排出されない)が
高率で発生するという問題点がありました。
胎盤停滞になると乳生産量の低下や今後の受胎成績が悪化する可能性があります
少し前になりますが、オキソアラキドン酸という物質が
牛の分娩後に胎盤が子宮から剥離排出される際に働く
シグナル物質だということが世界で初めて発表されました。
placenta 2012(Vol.33(2)106-113)
従来の分娩誘起方法にオキソアラキドン酸の注射を行うことで
胎盤停滞の発生を回避できたそうです。
分娩に30時間以上を要した12頭の牛
(無処置6頭、オキソアラキドン酸注射6頭)で試験を行ったところ、
胎盤排出率が無処置だと0%だったのに対して
オキソアラキドン酸注射は83%という結果が得られたそうです
深夜の分娩介護による農家さんの労働負担の軽減や新生子牛の生存率の向上、
さらに適切な分娩介護ができずに母牛が死亡することや、
胎盤停滞発生による能力の低下を防げるのではないかと期待されますね
ご無沙汰です。少し気になり投稿します。昼間分娩目的の夜間給餌方法は牛のルーメン機能を理解している人であれば取り入れないと思います、ルーメンを故意に乱して期待するところはなんでしょう?分娩直後には2回給餌なのですか私には理解できません。
私の所では誘起分娩を100%ホルモン処置して分娩さていますが後産停滞は双子分娩でも80%位は排出しています。0%はありえません。<00酸注射>はやや疑問な報道に聞こえてしまいます。
受精卵受胎率向上のためには、より良い選別された受精卵でしか期待できません。たしかにB・Cランク卵で妊娠はしますが産仔の健康までは保証できないでしょう。
受精卵の段階で産仔の健康や生存率は決定されていると最近理解できるようになりました。
投稿: 大石 | 2012年10月25日 (木) 19:33
大石様
コメントありがとうございます。
現場の経験を教えていただき、とても勉強になりました。
ありがとうございました。
投稿: | 2012年10月26日 (金) 18:27