近頃、血中遊離DNAが気になります
死んだ細胞から血液中に放出されたDNAを「血中遊離DNA」といいます
ガン組織や炎症組織は細胞死が盛んに起こっているためにガン患者や炎症性疾患患者の血液にはこれが多く含まれるそうです
最近、この「血中遊離DNA」が牛の妊娠鑑定に利用できる可能性が報告されました
Early pregnancy diagnosis in dairy cows using circulating nucleic acids
Mayerら、Theriogenology 79, 173-179, 2013
ザックリ中身をまとめると
血清中の「血中遊離DNA」濃度を調べることで、AI後20日で妊娠鑑定ができる(可能性がある)そうです
妊娠も炎症反応おきますからね
うまい!
そこで、、、
同じことをやっても面白くないので、、、
例えば、
夏場のヒートストレスが原因で受胎しない牛や、
分娩後、なかなか受胎してくれない経産牛(特に乳牛)などなど
この「血中遊離DNA」濃度がどうなっているのか調べてみたいです
ただ単純に、受胎しにくい牛としてのマーカーとなるだけではなく、
「血中遊離DNA」の配列を確認し、
細胞死がどこの組織由来であるか予測することで、
その後の飼養管理法など改善すべき点が明らかとなってくるのではないでしょうか
少々飛躍しすぎかもしれませんが(夢を語りすぎる悪い癖があります)、
不妊の原因といなっている炎症などを改善することを目的とした飼料も開発できるかもしれません
また、上のMayerさんの牛の妊娠鑑定に関する研究でも人工授精日、胚盤胞期(7日目)、孵化期(10日目)、伸長期(15日目)などダメもとで「血中遊離DNA」を調べてみると面白い現象が起こっているかも?
血中、正確には血清中の遊離DNAを定量することにより人の癌の同定、進行度を測定する方法を開発しています。10月3日の日本癌学会の二日目に発表されるそうです。
遊離DNAの濃度に変化があるならば定量できるので夢ではなくなるかもしれません。
投稿: 弁理士 石井久夫 | 2013年10月 2日 (水) 11:20
石井さま
コメントをありがとうございました。
今回残念ながらご紹介いただいた学会には参加できませんでしたが、今後も新しい情報を収集したいと思っております。
今後ともご指導の程よろしくお願いいたします。
投稿: zennoh | 2013年10月 3日 (木) 18:53