高い確率で作れるようになりました
今日はNatureダイジェスト Vol.12 No.3から
「Rudimentary egg and sperm cells made from stem cells」
という記事について紹介します
ヒトの始原生殖細胞を多能性幹細胞から高効率で作成する方法が開発されたそうです
まず、イスラエルと英国の共同研究チームが試験管内でヒトの皮膚細胞から
精子と卵子の前駆細胞を高効率で作り出す方法を見つけ報告しました。
マウスでは、京都大学の研究チームが胚性幹(ES)細胞や人工多能性幹(iPS)細胞から
精子と卵子を作り出すことに成功しており、得られた精子もしくは卵子を使った
体外受精で健常な仔マウスが生まれています。
また、2011年にはマウスの精子や卵子の源になる細胞である始原生殖細胞(PGC)に似た
始原生殖細胞様細胞(PGC-like cell;PGCLC)を初めて体外培養系で作り出しました。
このマウスPGCLCは、試験管内では前駆細胞段階から先に進めなかったのですが、
マウスの精巣に移植したところ、成熟して精子になりました。
この精子を使って仔マウスも得ることが出来ました。
卵巣にも移植し、同様に卵子と仔を得ることも出来ています
ヒトでも精子や卵子を人為的に得ようとする研究は行われ、PGCLCは得られていますが、
幹細胞からのPGCLC作製効率は非常に低いのです
しかしながら、今回イスラエルと英国の共同研究チームにより、男性由来と女性由来の
ES細胞やiPS細胞を使って、配偶子の前駆物質を
25~40%もの高効率で作製出来たと発表されました。
この率は今までで最高の作製効率だそうです
人工的に精子や卵子を作るという研究は少しずつ進んでおります
倫理的な問題はありますが、ヒトでも人工的に作製した精子や卵子を使って
子が得られる時代になるかもしれませんし、
今回の研究はPGCの形成や精子、卵子への分化の研究等に活かされるのでしょう
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