IARS異常症の今後
ET研ブログで、何度かIARS異常症について記事にさせて頂きました。
IARS異常症とは、黒毛和種に発生する常染色体単純劣性の遺伝性疾患です。
発症牛は出生時から起立困難、吸乳欲減退、低体重等の症状を呈し、虚弱で下痢・肺炎への易感染性、発育遅延が認められる遺伝病です。
その遺伝子型はG/G(正常型)、G/C(保因型)、およびC/C(異常型)が存在し、C/Cは出生時の虚弱や発育遅延により生後3ヶ月以内に死亡するため、成牛ではほとんど存在しないと言われています。
しかし、2015年12月号の「臨床獣医」の渡辺氏らの記事に、IARS異常症の発症牛の予後について載っていました
その記事によると、IARS異常症子牛の約4割は生後10日程度までに死亡または淘汰され、生後8ヶ月齢までに下痢や肺炎のために約8割が死亡・淘汰、1~2割が肥育や繁殖牛として供用されるが肥育牛は増体が悪く、枝肉重量が小さく、格付けも良くなかったと報告されています。
一応、発症牛でも、肥育、繁殖牛に供される牛がいることに、驚きました
遺伝子診断が確立し、種雄牛のIARS異常症の遺伝子型も公表されている今日、保因種雄牛との交配指導を行うことが、IARS発症牛の減少に繋がる道だと思われます
FMAは更に生存しますね〜💦
IARSよりCHSやCL16のほうが母体キャリア少ないかと。
疾患関連遺伝子を排除しようとすれば同時に多様性も失われますから、必ずしも種雄牛からの排除がベストとはなりません。
メスの基本登録の時に遺伝子検査必須にすれば良いかと。
母系からの遺伝子を強烈に引っ張ってるものを父系に回す事で多様性が維持されるらしいです。
ジーンドロッピングが此れかは知りませんが兵庫のやり方は面白いですよ。
投稿: hourai | 2016年2月 3日 (水) 01:38
hourai 様
コメントありがとうございます。
遺伝子検査に関してはET研究所でも供卵牛にて実施済で、保因牛に対しての雄牛の掛け合わせは最大の注意を払っております。
兵庫のジーンドロッピングに関しては多数の報告書があるみたいなので、勉強させて頂きます。
投稿: tomi | 2016年2月 4日 (木) 08:19