精子の運動率と性比
今日は生まれてくる子供の男女比に関するお話です
日本ではここ何年も、女の子を100とした場合、男の子は105くらいの割合で生まれてきています
下のグラフは年次別の男女比を示しています。
(横軸は年、縦軸は女性を100とした場合の男性の比率を示しています。)
出典:総務省統計局
一般的に男女比は1:1と言われていますが、どうして日本では何年間も男の子の方が少しだけ多いのか、この理由はまだ分かっておりません
日本産婦人科学会では、2007年から個々の生殖医療の治療結果を、インターネットを用いて患者さんに登録してもらっているそうです
このデータを用いて、生殖補助医療のどのような要因が男女比に影響するのか解析した結果が論文として発表されたようです
Fertil Steril. 2015 Dec 28. pii: S0015-0282(15)02178-0. doi: 10.1016/j.fertnstert.2015.12.009.
新しい発見としては、体外受精において、精子の運動率が低いと男子が生まれる確率が低くなるという結果が出たそうです
精子の運動率が32%以下だと、出生男子の割合が通常の予測値より低い49.6%で、精子の運動率が60-69%の時、54%程度まで上昇しているというデータが得られたそうです
精子の運動率は、一般的に年齢が上がるほど低くなりますので、年齢が上がると妊娠率が下がる他に、生まれてくる子の男女比にも影響してくるようですね
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