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2021年7月 1日 (木)

PAGを用いた妊娠鑑定について

今回は、妊娠24日目のPAG(妊娠関連糖たんぱく質)の濃度が
妊娠鑑定に用いられる可能性についての論文を紹介します。

Using pregnancy associated glycoproteins (PAG) for pregnancy
detection at day 24 of gestation in beef cattle

この実験は、分娩後65日前後のアンガス種の経産牛677頭と
未経産牛127頭を対象に実施しました。牛群にGnRHを打ち、CIDRを挿入して
7日目にCIDRを抜去し、PGF2αを打ちました。CIDR抜去後の
66時間前後に人工授精を行い、2回目のGnRHを打ちました。
人工授精を行った日を妊娠0日目とし、妊娠24日目に採血を
行い、血清中のPAG濃度を測定しました。また、妊娠鑑定は、妊娠30日目と
100日目に行いました。

結果として、妊娠24日目のPAG濃度が、経産牛では0.33ng/ml以上、
未経産牛では0.54ng/ml以上であれば、妊娠30日目の妊娠状態を
95%正確に判定することができました。

また、妊娠30日目から100日目までに後期胚死滅をおこした未経産牛は、
そうでない牛と比較して血中PAG濃度が低くなりましたが、経産牛では
有意差はありませんでした。

妊娠鑑定のゴールドスタンダードはエコー検査ですが、
どんな方法を用いても100%正確に判定することは
難しいため、いろんな方法を組み合わせて鑑定することで、
より正確に妊娠状態を知ることができるかもしれません。
妊娠鑑定を行う獣医としては、ある程度妊娠状態の目星が
ついていたほうが、気が楽なのではないでしょうか・・・。

AM

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