精子が手紙で送れる時代へ
今この記事を書いているワタクシは20代半ばなのですが、最近同級生の結婚報告がちょこちょこと増えてきました。払った分のご祝儀を回収できる日は訪れるのでしょうか・・・。
さて、タイトルにも書いた「精子が手紙で送れる」ですが、簡単に言うとフリーズドライした精子の保管方法を新しく開発したということらしいです。実際の論文はコチラ
精液の保存方法はウシでは基本的に凍結して液体窒素中で、ブタの精液は凍結すると活性がガクンと落ちるので冷蔵が基本ですよね。マウスではフリーズドライ精子からの産仔の作出に成功しているようですが、従来は保存容器が真空にしたガラスアンプルでないとダメだったそうで、サイズや破損のリスクといった問題点もあったようです。
今回新しく開発された保存方法は、精液を凍結乾燥させた後に薬包紙で挟み、さらにプラスチックのフィルムで挟んで圧着させたもののようで、イメージとしては名刺ぐらいの大きさのようです。
長期間は冷凍保存しなければならないようですが、数日の保存であれば常温でもイイらしいです。
タイトルにもある通り封筒に入れてどこかに送ることができたり、あるいはポケットの中に入れておけるサイズ感なので個人で持ち運ぶなんてこともかなり容易になりますね。
フリーズドライ精子自体はウシでも成功例があるものの、現時点ではこのフィルムの保存方法はマウスでしか成功していないようです。もし家畜でも同様に保存ができれば遺伝資源の保護にむけて法改正なんかも必要にかもしれませんね。窒素タンクよりも遥かに怪しまれず飛行機に乗せることができますから・・・。
それと課題を挙げるとすればフリーズドライ精子は「精子」そのものの保存というより精子の中の「DNA」を保存しているといってもよく、卵子と受精させるには顕微授精と呼ばれる特別な技術が必要なので、現時点ではフリーズドライ精子はAIやIVFにササっと使えるようなものではないですね。
しかしながら、そんなにもコンパクトなら写真のアルバムのように「過去100年の種雄牛フリーズドライ精子アルバム」なんてのも作れちゃうかもしれませんね。
TKH
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