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2021年10月 5日 (火)

銀ナノ粒子が子宮内の多剤耐性菌に及ぼす効果

今回は銀ナノ粒子が、乳牛の子宮内膜炎を引き起こす多剤耐性菌に
及ぼす効果について検証した論文を紹介します。

Antibacterial Efficacy of Silver Nanoparticles on Endometritis Caused by Prevotella melaninogenica and Arcanobacterum pyogenes in Dairy Cattle

子宮内膜炎の治療に対して、抗生物質を投与することはよくあることですが、
何度も投与することによって、抗生物質に対して耐性を示す多剤耐性菌が
出現してきます。

この実験では、子宮の分泌物から分離した多剤耐性菌である
Prevotella melaninogenicaおよびArcanobacterium pyogenesを培養し、
銀ナノ粒子を添加し、その有効性を調査しました。

結果として、銀ナノ粒子は、時間経過とともに、
菌の生存率を下げ、バイオフィルム形成を阻害しました。
細胞死は、主に活性酸素や一酸化窒素、マロンジアルデヒドなどの
酸化ストレスによって引き起こされていました。

結論として、銀ナノ粒子は多剤耐性菌に対して、成長を阻害する
効果が認められました。
この療法が牛の抗生物質に代わる子宮内膜炎の治療として有効であれば、
これまで薬剤投与で治らなかった牛も、もとに戻るかもしれませんね。

AM

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