マルチオミックス
十勝は8月なのに肌寒い日と暑い日がランダムに
やってきて服装に迷う日が多いです
さて今回は
Integrative analyses of genomic and metabolomic
data reveal genetic mechanisms associated with
carcass merit traits in beef cattle
Scientific Reports volume 12, Article number: 3389 (2022)
の論文を紹介させていただきます。
ゲノミック評価等を行う際に収集されるSNP情報を用いて
GWASと呼ばれる解析を行って、注目する形質と関連性が高いで
あろうSNPやその近傍に位置する遺伝子を同定し、形質に関連する
候補遺伝子を見つけるための研究がたくさん行われてきました。
今回はSNP情報に加えて、代謝産物を網羅的に解析するメタボロミクス
を組み合わせたマルチオミックス分析の結果となります。
対象としたのは、交雑種を含む493頭の肉牛の枝肉成績のデータです。
また、5万箇所程度のSNPデータをインピュ―テーションと呼ばれる
技術を用いて、44万箇所に補完し、そのデータを更に5300万箇所に
インピュテーションしていたというのが印象的でした。
我々が普段ゲノミック評価を行う際に利用するのも5万箇所程度の
SNPデータからなので、候補遺伝子探索等を行う際には、
より多数のSNPを利用することで、候補遺伝子探索がより詳細に
行なえるかもしれません。ただこのインピュテーションを行う
ためには、44万箇所および5300万箇所のデータを持つ複数
の牛の学習データが必要となるので、多額のお金がかかりそうですが
結果はメタボローム×GWASによって5つの枝肉形質で
43~160個の候補遺伝子が同定され、機能解析によって
24~28個の分子機能が予測されました。
マルチオミックスデータを統合して複雑な形質の遺伝的影響
をさらに解明していく研究は今後もさらに発展していくかもしれません。
私自身卒論がメタボロ―ムに関する研究だったので、興味があるのですが、
網羅的解析は非常に高価です。。
採卵性や受胎性に関連性との関連性も気になるところですので、
マルチオミックス解析の勉強はしておこうと思います
Z
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