場内での妊娠鑑定その3
妊娠鑑定で少し不思議な例があったので紹介したいと思います。
本牛は発情から6日目の7月13日に胚移植をおこないました。
その後の8月15日(胎齢40日)に妊娠鑑定をおこなったところ下のような画像でした。
一見すると腔もばっちりで胎子も確認できますが、少し小さいような…。念のため翌週再鑑定をおこなうことにしました。
その1週間後の8月22日のエコー画像が下です
腔がさらに大きくなりました。胎齢47日。しかし胎子の形がはっきりしません
もし胎子が死んでいたのなら腔は大きくならないように思えますが…。
念のためさらに翌週
胎齢54日目。一週間前とほぼ変わらず…。胎子は死んでしまったのでしょうか?
またさらに翌週
これが今日のエコー画像です。腔が小さくなり、ようやく確信をもって胎子が死亡したと判断できました
この例のように胎子が死んでしまっていても(死ぬ直前?)、腔が日齢に応じて大きくなったり、その腔が60日過ぎまで確認
できることもあるようです。
いったいどの時点で胎子が死んだのかは不明ですが、40日目の時点で違和感を感じたことから胎子は既に死んでいたように思います
となると胎子は死んでも腔は大きくなる…。小さな命をどうにか繋ぎとめたい母牛の頑張りがこのような事象を引き起こしたのでしょうか?
そう考えるとちょっと切なくなる症例でした
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