• Img_20241107_074531486_hdr
  • Img_20241019_145009790
  • Img_20241012_003307233
  • Img_20240822_222932998
  • Photo_2
  • Photo
  • Img_20240923_144226609
  • Img_20240914_144418096_hdr
  • Img_20240914_143247875
  • Img_20240818_165241096

« こわいものはお父さんが教えてくれます | メイン | 年内に終わらせること »

2013年12月24日 (火)

PGを毎日投与すると・・・

最近興味深く読んだ論文を紹介させていただきます。

Influence of repeated dinoplost treatment on ovarian activity in cycling dairy cows

Kazuyuki kaneko, Nobuaki takagi

(Theriogenology 2013 article in press)

目的

 分娩後の牛は長期にわたって血中のPGFM濃度(PGF2αの代謝物)が高く、人工的に子宮内を細菌感染させた牛でも血中PGFM濃度は高くなることが知られている。そこで、長期にわたるPGF2α投与が卵巣機能にどのような影響を与えるかを調査した。

材料および方法

供試動物:繁殖周期が正常な、ホルスタイン種経産牛

実験内容:自然排卵した日をDay 0とし、Day 1からDay 21までPGF2α製剤(プロナルゴンF 5 ml)を投与した。Day 30まで毎日卵巣観察および採血を行い、得られた血液によりP4濃度を測定した。

結果(ダウンロードファイル参照)

1.gifをダウンロード 

  結果の通り、PG投与区では正常な繁殖周期は見られず、黄体形成が不十分であった他、少数ではあるものの卵胞嚢腫となる個体も見られました。

 子宮内感染と卵胞嚢腫の発生には相関があることが知られており、個人的には子宮内感染が引き起こしうる種々の影響の中でもPGF2αの上昇という内分泌的な素因によって卵胞嚢腫が引き起こされうるということが非常に興味深く感じられました。

 頻回の排卵促進剤の反応しないような牛に対しては、子宮内膜の状態を改めて検査し、内膜炎であるならば治療を施すことが必要な場合も多いのではないかと考えられます。また、ひょっとするとCOX2阻害剤投与によってPGF2αの産生を阻害することで、どんな治療にも反応しなかった卵胞嚢腫が治るといったことも起こりうるかもしれません。

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。