暑さ対策にマッサージ
ようやく北海道にも暖かい日差しが降り注ぐようになり雪解けが進みました
そんななか本州のほうでは気温が20度を超えるとかで、桜も咲いたとか散ったとか?
春の陽気でのんびりしていると、気づけば夏がきて、また今年も牛さんたちが受胎しにくくなってしまいます
そうならぬよう、春のうちから対策を考えておかなくてはいけません
ET研では、春のうちに受胎させてしまう取り組み、また夏は暑熱対策用の添加剤の使用を計画しています。
話はかわりますが、なにか新しい暑熱対策のアイデアがないものかと探していたら見つけました
少々意外な方法が暑熱期の受胎性を回復させるかもしませんので紹介させていただきます。
乳用未経産午の人工授精直後の陰唇刺激が受胎率に及ぼす効果(小野ら 2008)
【方法】
ホルスタイン種未経産牛295頭を用い、AI直後に手指による陰唇刺激を15秒間行って対照群と比較。
【結果】
陰唇刺激群の受胎率は有意差はないが対照群よりも高かった(69.2% vs 64.7%)。
また、対照群において7月から8月に受胎率が低下する傾向が認められたが、陰唇刺激群では認められなかった。対照群において、THI(不快指数のようなもの)が72以上の場合の受胎率は、72以下の場合よりも有意に低かった(P<0.01)が、陰唇刺激群ではそのような差異は認められなかった
【感想ほか】
陰部刺激(マッサージ)と受胎性については古くからいわれていると思いますが、暑熱期において顕著な差がみられるという結果に驚きます。文献によりますと熱帯地域の報告で受胎性が向上したとの報告があることからこのような試験をおこなったようです。その機序についてはまったくの不明ですが、陰部刺激は特別に器具も費用も不要なため、夏場の受胎率を少しでも向上させたいのであればやってみる価値はあるかもしれません。ちなみに未経産牛よりも経産牛のほうが効果は高いとか…。
文献は無料で読むことが可能ですので、詳しい方法が知りたいかたはご覧になってみてください
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