黄体退行
多くの哺乳類において排卵後の卵巣には黄体が形成され、
黄体ホルモンを分泌することで妊娠を維持しますが、
妊娠に至らなかった場合、黄体は卵巣から消失します
これまで黄体退行は黄体を構成する黄体細胞がプログラムされた細胞死(アポトーシス)
と黄体へ侵入したマクロファージによる貪食作用(死んだ細胞の除去)によると考えていました。
しかし、研究により卵巣から採取されたリンパ液中に多数の生きた黄体細胞を発見したほか、
リンパ液中の黄体細胞の数は黄体退行時に急激に増加しており、
特に黄体が卵巣上から完全に消失する際に
黄体細胞の流出が重要であることが判明しました
今回の研究から「黄体細胞がリンパ管を通じて卵巣から流出する」
ということが新たに分かりました
牛の人工授精において排卵のタイミングをコントロールする際に
前の排卵時に形成された黄体の消失が必要となります
今後、大量の黄体細胞を任意のタイミングでリンパ管へ流出させる技術を開発することで
黄体退行を人為的に制御できるようになれば、
効率的に排卵を促し人工授精を行うことが可能となります
今後のさらなる研究成果に期待ですね
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