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2014年9月11日 (木)

妊娠診断はどこまで早められるか

生産効率を高めるためには、妊娠診断は早いに越したことはない一報、超音波診断器が普及した昨今においても、どれだけ早い時期に診断できるかは個々人の技量に拠るところが大きく、また、早ければ早いほど、誤診のリスクは高まりますdespair

早期の妊娠診断について、最近出た論文をご紹介します。

タイトル:肉用種経産牛における免疫細胞の遺伝子発現と超音波で評価した黄体機能に胚が引き起こす変化:妊娠診断はどこまで早められるか

(原題:Conceptus-induced Changes in the Gene Expression of Blood Immune Cells and the Ultrasoundaccessed Luteal Function in Beef Cattle: How Early Can We Detect Pregnancy?)

出典:Biolpogy of Reproduction in Press

著者:Pugliesi ら (サンパウロ大)

内容を簡潔にご紹介いたします。

免疫細胞である末梢血単核球(PBMC)中には胚が産生し、妊娠認識に関わるインターフェロンτにより発現が強まる遺伝子があります。著者らは発情から15-18日目において受胎牛と不受胎牛で発現量に際が見られた遺伝子(OAS1とMX2)の発現量、および超音波で経時的に観察した黄体の退行により、発情から20日目において妊娠診断が可能かを調査したところ、下表のような結果が得られました。

エンドポイント 超音波による黄体退行診断 遺伝子発現
(2遺伝子)
超音波
&遺伝子発現
面積のみ 血流のみ 両方
感度(%) 98 98 100 67 67
特異度(%) 88 86 86 88 95
受胎的中率(%) 84 80 81 76 88
不受胎的中率(%) 98 98 100 82 83
正確度(%) 92 90 91 80 84

感度:実際に受胎していたもののうち受胎と診断できたものの割合

特異度:実際に不受胎だったもののうち不受胎と診断できたものの割合

受胎的中率:受胎と診断したものが受胎していた割合

不受胎的中率:不受胎と診断したものが不受胎だった割合

正確度:診断したもののうち診断が的中していた割合

・・・遺伝子発現の定量で、8割程度の正確さでの診断が可能なようです。

まだまだ現場で使えるレベルではありませんが、今後も動向に注目していこうと思います。

黄体の退行については、面積の縮小および血流の減少を追いかけることでかなり正確に診断で切るようですね。

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