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2014年10月16日 (木)

eCGの使い道:その②

先週から、木曜日に最近出た総説を元に、FSH作用、LH作用双方の作用を持ち、ウマではLH作用が強く、ウマ以外の動物ではFSH作用が強いことでしられるホルモン「eCG(ウマ絨毛性性腺刺激ホルモン)」の使途について紹介していますhappy01

今回はeCG投与の卵巣上の卵胞への反応についてご紹介します。

原著:Use of Equine Chorionic Gonadotropin to Control Reproduction of the Dairy Cow: A Review

著者:F De Rensis and F López-Gatius

出典 Reproduction in Domestic Animals Vol 49, 2,  177-182

・eCGの投与により、5mm以下の小さな卵胞が動員され、発育率が増加するとともに、中~大サイズ(6-9mm)の卵胞発育も継続されることで、結果として退行する卵胞を減らすことができるという多数の報告がある一方、高用量を投与したとしても効果が無かったという報告もあり、これらより、eCGの投与効果は、投与量および投与する牛の発情周期に左右されると考えられる。

 ・一般的には高用量で卵胞発育が著しく促進されると考えられているが、発情周期の9-12(1st  wave退行期に当たる)に投与を開始すると、効果が無かったという報告がある。

 ・分娩後14日目に投与すると、無投与の場合妊娠角側の卵胞発育が妨げられ、反対角よりも小さくなるが、eCG 250 IUまたは750 IUを投与すると、卵胞発育が促進され、卵胞サイズが両角で変わらなくなる。

 ・分娩後6日目にeCG 500 IUを投与すると、初回排卵が早まるとともに、発情周期の回復も早まる。

 ・eCGの投与は、排卵を促進し、取り分け分娩後早期や、低BCS、長期の無発情やヒートストレス下など、ネガテイブファクターがある状況下で有効であると考えられる。

→結論として、eCG投与は排卵前と排卵時の内分泌機構に影響を与えるのではなく、一般的には主席卵胞の発育と排卵率を増加させると考えられる。

・・・激烈な反応がある印象が強いeCGですが、やはり卵胞発育ウェーブは無視することができないことを再認識いたしました。分娩後の卵巣機能回復や、種々のネガティブファクターがある状況下での効果等、臨床的な使用意義は色々とありそうだなぁと感じましたeye

次は「eCG処置の卵胞と黄体における性ステロイドホルモン合成に及ぼす影響」についてご紹介いたしますbleah

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