eCGの使い道:その③
「eCG(ウマ絨毛性性腺刺激ホルモン)」の使途についての紹介の③回目です
本日は「eCG処置の卵胞と黄体における性ステロイドホルモン合成に及ぼす影響」について紹介いたします
原著:Use of Equine Chorionic Gonadotropin to Control Reproduction of the Dairy Cow: A Review
著者:F De Rensis and F López-Gatius
出典 Reproduction in Domestic Animals Vol 49, 2, 177-182
・eCGは顆粒層細胞と卵胞膜細胞におけるエストロジェン (E2) およびプロジェステロン(P4) 分泌を促進する。
・卵胞期では、E2産生促進による正のフィードバックにより、排卵前のLHサージに作用する。
・分娩後14日目の乳牛においても、eCG 750 IU投与により、無投与よりE2産生が促進される。
・発情から7日目の黄体期に投与すると、黄体の成長が促進され、血中P4濃度の上昇が、無投与の場合より2日程度早まる。一方、黄体の大きさ自体には影響しないことから、機能性の黄体細胞の比率および機能の増加が生じるのだと考えられる。
・排卵前のeCG投与もP4濃度を増加させる。これは、eCGが顆粒層細胞・卵胞膜細胞の双方に働き、卵胞を増大させ、黄体も増大させることによると考えられる。
→結論として、eCG投与は黄体に直接働きP4産生を促進するのみならず、排卵前の卵胞に働き、卵胞機能およびサイズを増大させることで、黄体発育を促進し、P4産生を促進する。
・・・排卵前および、黄体形成後もP4分泌を向上させる、とういことは即ちAIでもETでも応用できる可能性があるなぁと感じました
次回はいよいよ最終回!!「eCGの定時人工授精プロトコルへの適応」についてです
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