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2014年12月 5日 (金)

子宮の貯留物

少し気になるエコー画像がとれたのでご紹介したいと思います。

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これは牛の子宮を経直腸で当てたエコー画像になりますがこの画像をご覧になってどのような印象をお持ちでしょうか?
子宮内がエコーフリーなため、子宮の内部に液体が貯留していることがわかります。
では牛の子宮に液体が貯留している場合にはどのようなものがあるでしょうか。
教科書的を参照すると、子宮粘液症、子宮水症、子宮蓄膿症の場合に子宮内への液体の貯留が考えられます。この画像からは子宮蓄膿症とは言いにくいように思います。
しかし、もうひとつ忘れてはいけないのが妊娠ですdanger
ちなみに今回は胎子および胎膜スリップは確認できませんでしたので妊娠でもありませんempty

というわけで結論は内容物が粘液性ならば子宮粘液症、漿液性ならば子宮水症ということになりそうです。

一方で、今回の牛は、およそ50日前にETをおこなっており、その後発情は確認されず、妊娠鑑定のためにエコーを当てた結果が上記になります。推測ですが、途中まで胎子が存在していたけれどもその後胎子が死滅し、胎水のみが子宮内に貯留してしまっているのではないでしょうか。腔の下方にうつる白い部分が死滅した胎子の一部か何かではないかと思います。
このような場合になんと診断するべきなのか?症状は子宮粘液(水)症ですが、単純に妊娠の不成立ととるか…。表現の問題ですがふと疑問に思ったため紹介させていただきました。
対処としてはPGの投与になると思いますhospital

もし現場でそれまでの経緯を知らずにみてこのような状態であった場合、どのような処置が必要であるか迷ってしまいそうです。即座に胎子死と判断し、PGが投与できるか、万が一妊娠している可能性があると判断し、経過を確認し再度みるか。
牛をみていると様々な症例があり、驚かされるとともに今まで見た症例にもこんなのが混ざっていた可能性を考えると恐くもなりますね…coldsweats02


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