性判別精液の受胎率向上
性判別精液の未経産、経産牛での受胎率、また性判別精液を使用した際の経産牛での受胎率が向上する可能性について、日高NOSAIの先生が記事を出されていたので、紹介させて頂きます。
まず、日高地区での授精成績を以下の表に示しております。
表を見て分かりますように、性選別精液使用率が、未経産でそれぞれ7.8、13.5、および22.1%、経産で2.6、4.1、および8.1%と年々増加傾向にあります。
産牛での受胎率を高める目的で、深部注入器を試した結果、以下の表のようになりました。
授精に用いた器具は、深部注入にはモ4号AIと横穴シース管とした。
結果、授精頭数は少ないものの、モ4号AIで65%と高い受胎率が得られました。
一方で、同時期に行った横穴シース管を用いた授精での受胎率は45.5%でした。
このことから、性選別精液の深部注入の際には、器具の選定が大きな要因になることが推察できます。
また、他にも、冬場の保温対策として注入器保温を施した場合と施していない場合の受胎率を比較したところ、2010年1月には50%であった受胎率は、2011年および2012年1月に約65%と向上し、保温を施さなかった注入器を用いた際の受胎率との間に15%以上の差が開きました。
性選別精液は、産乳成績が明らかとなった経産牛を対象として、後継牛を効率よく確保するための有益な繁殖素材です。
これまでの授精手法に対し、モ4号AIを用いた深部注入を行うこと、さらに冬季に保温対策などの僅かな工夫を施すことにより受胎率が向上することが期待でき
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