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2015年2月 3日 (火)

プロプレングリコールの効用

先日、フランスで行われました国際学会の抄録で、面白い内容があったので、ここで紹介させて頂きます。

「The influence of propylene glycol drenching on the superovulatory response and embryo quality in high – yielding daily cows.」

T. Othman, Faclty of Veterinary Medeicine, Cairo University, Giza, Egypt.

「高泌乳牛に対するプロピレングリコール投与が、過排卵処置及び胚質に及ぼす影響」

目的:近年、乳牛の1頭当たりの乳産出量が増加するにつれ、繁殖成績が低下している傾向にある。今回我々は、50頭の牛にプロピレングリコールを投与し、過排卵処理への反応および胚質への影響を調べた。


方法:2つのグループを設定。
・PG群→プロピレングリコール投与群
・Control群→無投与群
PG群は、FSH投与を行う1週間前から一日一回、150gのプロピレングリコール(以下PG)を経口投与。過剰排卵処理を行い、授精から7.5日目の胚を採卵。


結果:凍結可能胚および移植可能胚は、PG群の方がControl群と比較して、有意に多く採胚できた。(凍結可能胚→PG群 vs Control群:10.33±1.9 vs 6.09±0.9、移植可能胚数→PG群 vs Control群:7.08±1.7 vs 2.11±0.45)。逆に、わずかではあるが変性胚及び未授精胚数については、PG群の方がControl群よりも多かった(PG群 vs Control群:2.33±0.85 vs 2.09±0.6)。


結論:これらの結果から、PGの投与によって過排卵処理への反応および胚質は改善される可能性がある。

プロピレングリオールは、一般的には食品ならびに医薬品などの溶剤または防腐剤の目的で使用されています。牛の分野でも、ケトーシスの治療薬として一般的に普及しています。

プロピレングリコールの作用機序としては、経口投与された後、ルーメン壁から速やかに吸収され、肝臓でグルコースに変換されます。これにより、エネルギーのマイナス状態が一時的に緩和され、体脂肪の動員が穏やかになり、ケトーシスが緩和されます。

今回、プロピレングリコールの効用が繁殖に着眼している報告は、私が知る限りではこの報告が初めてです。

プロピレングリコールは500ml当たり195円程度なので、経口投与の労力さえ惜しまなければ、安価で、より良い採卵成績を上げることも不可能じゃないかも知れませんね。

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