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2015年11月

2015年11月30日 (月)

地球に優しく

フランスのある農家さんでは、温室効果のあるメタンガスを含む牛のおならやげっぷの削減に取り組んでいますdash

牛40頭を飼育するこの農家さんでは、これまでに32トンのメタン削減を実現したそうですsign03

この量はなんと、車を47万キロメートル走らせた時に排出される二酸化炭素の量に等しいそうですrvcardash

すごい量なんですねcoldsweats02

しかもメタンガスの温室効果は、二酸化炭素の約20倍と考えられているそうですsweat01

メタン削減の秘訣は飼料の原料にあるらしく、この農家さんではトウモロコシや大豆などの穀物の割合を減らし、牧草の割合を多くしているそうですclover

牛が排出するメタンガスはゲップに含まれるものが大半ですが、おならからも発生するのだそうですよ~taurus

フランスの農場で使用される飼料の20%は、産業用としても用いられるトウモロコシや大豆が原料となっていますが、この農家さんは乾燥させたアルファルファを使うことで、冬の間もこうした飼料に頼ることなく牛を飼育することが出来るのだそうですbud

また、農場で栽培している亜麻仁も飼料に加えることで、栄養の補給もしているみたいですscissors

アルファルファのようなマメ科植物や、亜麻仁、大豆などの油糧種子が配合された飼料で育った牛の乳は、オメガ3系脂肪酸を豊富に含みますfull

オメガ3系脂肪酸は人間の健康に良い効果をもたらすといわれるほか、牛の胃の中にあるメタン生成菌を抑えるとされているため、メタンガス排出の削減も期待できるのだそうですwink

さらに、窒素固定能力を持つアルファルファによって、牧草地の土壌改善も期待できますshine

環境や人間の健康に考慮した農業を目指すフランスの非営利団体によると、牛に与える飼料によっては、吐き出すメタンガスを最大65%削減することも可能なんだとかcatface

しかし、経済的な制約と牛乳の質、牛の健康のベストバランスを保つために、同団体は20%削減を目標として掲げているそうですrock

一気に全てを変えるのではなく、少しずつ取り入れていって農家さんにも地球にも優しい経営が出来ると良いですねhappy02

2015年11月27日 (金)

ただ今分裂中!!

 

本日は卵子の成熟についてご紹介したいと思いますsmile

 

卵胞の中に存在する卵子は,そのままでは精子と出会っても受精することができません。

排卵する前に,卵子の中で「ある変化」が起こることが必須なんですtaurus

  

哺乳類のメスにおいて,卵子は母親の胎内にいるときからすでに存在し,細胞分裂の途中で長い眠りにつきます。

成長するに従い,脳から放出されるホルモンに反応してこの細胞分裂を再開し,排卵する直前にこの細胞分裂を完了させることで,

受精する能力を持つようになります。

人間でいうと,卵子が眠りから覚めて分裂を再開した時点で生理が始まります。

この,細胞分裂を完了させる過程は,「卵子の核成熟」と呼ばれており,まさに受精に必須の重要なポイントになります。

 

そしてその過程は目で見ることができますhappy01

下の写真は核成熟した卵子です。

Mii_2

画像が汚くて申し訳ありませんが,大きなピンク色の円が卵子です。

そして矢頭で示した濃いピンク色の塊(卵子の染色体です)が二か所に見える状態が成熟の目印です。

この状態になって初めて,精子を受け入れて受精卵となることができますtaurus

 

ちなみに,たまーにですがこんな姿も見られますよeye

2

まさに分裂中!!教科書のイラストみたいですsmile

 

生命がダイナミックに変化していく様子を見ることができるのは,卵子の研究を行う私たちの特権なのではないかと思います。

この命の源を大切に育てつつ,生産者の皆様に貢献できるような研究をしたいと思いますconfident

2015年11月26日 (木)

ぎゅうぎゅう詰め

現在劣化した牛舎の餌槽を補修するための工事が行われております。

工事は牛舎の半分ずつに分けて行われるため、現在牛の給餌スペースはいつもの半分となっており、一区画にいつもの倍近い頭数がいる区画も存在していますbearing

ただでさえ空きが少ない中で飼養スペースを確保しているので、今回のような工事が入るとさらに神経を使いますsweat02

工事は来週の頭までなので、それまで牛には我慢してもらわなければなりませんthink

ある種のバッタでは個体群密度が高いと個体数を減らすために同性間で交配行為を行うようになる・・・みたいな話を聞いたような記憶があるのですが、牛でも「マウンティング」が増えたりすることはあるのかなぁと妄想しつつ今日の筆を置かせていただきます。

2015年11月25日 (水)

たねあかし

先週お届けしたイリュージョンのタネ、みなさん分かりましたか?dog

本日はタネあかしhappy01

先週の写真、実はよくみると小さく透明帯に傷があったのです。sign01
胚盤胞期にニードルを用いて透明帯に切り込み(スリット)をいれて一日置くと・・・・

Pb130129

透明帯の切込みから胚の栄養膜細胞が出てきます。
ここで透明帯から出てきた栄養膜細胞をブレードで切ると先週の写真になるのです。confident

透明帯をあまり傷つけず、回収できる細胞は多い!
すばらしい方法ですが、スリットを入れるのにはコツがありなかなか難しい技術なのでした。coldsweats01


※この方法は、福島県畜産試験場で特許取得されています。

2015年11月24日 (火)

十勝の冬

本州や九州地方ではまだまだ暖かい日々をお過ごしのことと思われます。

しかし北海道では本日、今年度初の大雪となりましたsnow
積雪40cmは、ゆうに越してるでしょうか?

道路を走っていると、2台ほど、道の傍に落ちていて、パトカーが停まっている光景を見ましたcar

私も、ずっと「怖えー怖えー」と連呼しながら、運転しております。
十勝に来て、3年がたとうとしておりますが、まだ冬道の運転は慣れませんsad

とうとう北海道に本格的な冬が来ましたね、十勝の冬は本当に長いです。


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私の車も雪に埋もれてました。
なんだか、ヤッターマンに出てくる犬型のロボット、ヤッターワンみたいですねdog

2015年11月23日 (月)

中はヒミツ

あーもうそろそろ買いに行かなきゃ~dollar

もう残りが少なくなってきましたwobbly

何がって?

それはこれでーす↓

20151123_133316_4

え?ノート??って感じですがとても大事なノートですconfident

そう、「実験ノート」ですねgood

研究開発室では、牛の受胎率改善や採卵性向上などなど・・・それぞれがテーマを持って、様々な研究を行っておりますrock

その実験で得られたデータを書き込んだり、実験の手法を書き込んだり、使い方は人それぞれですが、実験を行うために大切なことがたくさ~ん書き込まれておりますmemo

以前の実験で感じたことや失敗したことも書き込んでおいたりすると、次の実験を行うときに役に立ったりしますflair

何年も前の実験のことを掘り起こしたりするときにもノートをチェックすることもしばしばbook

すごく重要なんですscissors

私のノートは特に個性がありませんが(笑)、みんなかわいくてオシャレなノート使ってますshine

次はどんなノートにしようかなhappy01

2015年11月20日 (金)

冬の訪れを感じる朝に

長いもの収穫も終わり,いよいよ本格的な冬が始まろうとしています。

いつもの通勤ルートは一面雪景色になっておりましたshock

ET研究所の牛舎も雪化粧ですsnow

Img_1914 

夏のヒートストレスは多くの方にとって頭を抱える問題だと思いますが,実はウシにとっては冬のコールドストレスも大敵なんですtaurus

ET研究所でも冬場は採卵成績が落ちるため,寒冷対策が重要になってきます。

体外受精をしていても,冬は移植可能胚への発生率が低下する傾向にありますwobbly

さらに,妊娠末期のウシでは寒さで血管が収縮することで血圧が上がり,その結果子宮への血流が増加して

胎子が大きくなりすぎるため,難産が増加するそうですshock

 

ヒトにとってもウシにとっても大変な季節が始まりますが,まずは買ったばかりの車を雪道の事故で廃車にしない!ということを

今年の目標にしたいと思いますbleah

2015年11月19日 (木)

卵巣が動かない

 最近超音波で黒毛ドナーの生殖器の超音波検査において、卵巣上に小さな卵胞しかないことが多々見受けられます。

 現在十勝はこれからぐーっと気温が落ちてくる移行期間にあるのですが、人でも季節の変わり目は風邪を引きやすくなるように、気候の変化に代謝の変化が追いつかず、卵巣静止のような状況になっているのかもしれません。

 同じ卵胞発育障害でも、卵胞のう腫であればGnRHの投与や、CIDRの挿入などが治療法としてすぐに思いつくのですが、卵巣静止においてはまだゴールデンスタンダードのような治療法は確立されていないように思われます(勉強不足なだけかもしれませんがcoldsweats01)。

 教科書には一週間間隔でeCG 1000 IUとhCG 1000 IUの投与なども記載されておりました(獣医繁殖学第4版 文永堂出版)。

 よい治療法があればご教授いただければ幸いですconfident

2015年11月18日 (水)

イリュージョン

箱の中のものを消したり
手の中にあったコインをいつのまにかポケットへ・・・

手品ではよくみる技ですね。wink

性判別に必要なバイオプシーにおいては胚の細胞をとるために
外側の透明帯も一緒に切れてしまいます。
うまく切れないと胚が透明帯から出てしまうこともimpact

胚は透明帯に守られていないと凍結にはとても弱くなってしまいます。


なんとかして、手品のように中の細胞だけとれないのでしょうかsign02

本日はそんな研究者的手品を紹介いたしましょう。

これが貴重な瞬間をおさめた写真になりますwink

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胚の下に見える塊が採取された細胞片ですね。けっこうたくさん取れています!shine
透明帯は球形を保ち、無傷のように見えますが・・・細胞はいったいどこから取りだされたのでしょうか?

タネあかしは次回をお楽しみに~note

2015年11月17日 (火)

長芋で精力をつけよう!!

今日、新ETで行っている川西の長芋、兼、酪農家さんから、大量の長芋をいただきましたsign03

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短冊切りにして卵黄と甘い醤油で食べるのもよし、トロロにするのもよし。
長芋が大好きな私にとって、とても嬉しい頂き物でしたhappy01
ありがとうございます!


十勝ではビート堀りも終わり、このように長芋堀りも終わり、とうとう待ちに待っていなかった、長い冬を迎えそうですsad

ちなみに、トロロを食べた後に、口の周りが痒くなるのは、トロロ中に含まれてるシュウ酸カルシウムが棘状になってて、この結晶が原因で痒くなるみたいですよ。