• Photo
  • Img_20240417_002617572
  • Img_20240402_212350667
  • Img_20240318_211517328
  • Img_20240221_220708341
  • Img_20240206_114426084_2
  • Img_20240206_114426084
  • Img_20240204_181933563
  • Img_20240123_132449550_hdr
  • Img_20240120_182129566

« 2015年10月 | メイン | 2015年12月 »

2015年11月

2015年11月16日 (月)

狭いところは好き?

ヒトの精子は物体の表面に近い場所にいると、近くに表面のない場合よりもすばやく直線的に遊泳することを報告する論文がnature communicationsに掲載されるそうですmemo

つまり、壁際と言うか、囲まれた狭い空間ですばやく直線的に泳ぐのでしょうrun

精子は長い尾部(鞭毛)のむち打ち運動によってらせん状遊泳するのですが、生殖器内での精子の動きを詳細に調べるため、ガラス表面から1ミクロン以内の部分で遊泳するヒト精子の映像を記録し、バルク溶液中を遊泳する精子と比較しましたeye

ガラス表面を遊泳する精子は、ずるずる滑るように進む独特の遊泳形態をとり、それによって精子が表面に沿ってすばやく直線的に遊泳していたそうですflair

ってことは、スライドガラスやカバーガラスのようなもので精子を挟み込んで観察すると、精子の動きがよく見えてしまうのでは・・・??例えばこんな感じのものとか↓

20151116_190141_2
と思いましたが、これは狭い生殖器内を遊泳しなくてはならないヒト精子の話で、牛はヒトより卵管が広いので牛精子では見られない現象だそうですよ~confident

ちなみに写真の物は、細胞をカウントしたりするのに使いまーすscissors

2015年11月13日 (金)

黄体コレクション♪

ET研究所では,と場で採取した卵巣を使って日々実験を行っていますconfident

ひとくちに卵巣といっても大きいものや小さいもの,卵胞がたくさんついているものやほとんど見当たらないものなど様々なのですが,その中でも黄体は本当に個性豊かです。

 

というわけで本日は今週の卵巣コレクションをsign03

 

まずは私の個人的なお気に入りはこれshine

Img_1831_2

たくさんプロジェステロンを出していそうな,機能的な黄体です。やはり開花期の黄体はきれいですね~

 

こちらは色や膜のかぶり具合からして,妊娠黄体だと思われますtaurus色合いが大人っぽいですね~happy01

Img_1839_2

 

 

血流が減って黄色くなったこの黄体↓はもうすぐ退行してしまいそうですsad

Img_1840_2




 

 

そして最後にsign01今週のMVPを紹介しますcrowncrowncrown
Img_1830_3

シメジみたいでかわいいlovely

この卵巣を直検したら,いったいどんな触りごこちなんでしょうeye

 

黄体の形成・維持・退行は本当にダイナミックで神秘的な現象だと思います。

その様々な個性を見ることができるのも,日々卵巣を使って実験をする私たちの特権ですねsmile

 

 

 

2015年11月12日 (木)

CIDRの再利用

当研究所でも利用しており、卵胞のう腫の治療や発情同期化薬としてもおなじみのCIDR。

黄体ホルモンであるプロジェステロンを含むT字型の膣内留置型製剤であり、人為的に黄体が持つ働きを牛に与えることができることは多くの方がご存知かと思います。

発情同期化薬としては5-8日程度の留置期間が一般的ですが、一方卵胞のう腫の治療には12日間程度留置するので、「1回同期化で使ってももう一回くらい使っていいんじゃね?」とお思いの方も多いと思われます。

 過去ET研ニュースにおいても、再生CIDRで一定の血漿プロジェステロン濃度は維持されるという報告をご紹介しておりますが(全農ET研究所ニュース平成26年6月号)、この度定時人工授精において再生CIDRと未使用CIDRを比較した報告がありましたのでご紹介いたしますeye

題「CIDR回使用と2回使用による肉用牛の定時人工授精受胎率の比較」

(原題:Comparison of pregnancy rates in beef cattle after a fixed-time AI with once- or twice-used controlled internal drug release devices.)

著者:Muth-Spurlock AM ら(ノースカロライナ州立大学、アメリカ)

出典:Theriogenology[Epub ahead of print]

 著者らは未経牛99頭、経産牛43頭のオブシンクに7日間CIDR留置を組み合わせた定時人工授精において、CIDRの使用回数(1回目か2回目か)で比較を行いました。CIDR抜去時のプロジェステロン濃度は、1回目の方が2回目よりも高かったのですが(1回目3.4 ± 0.5 ng/mL  2回目1.4 ± 0.5 ng/mL)、受胎率には差は無かったそうです(1回目75.4 ± 6.0%  2回目71.7 ± 6.4%)

 1回使用した後のCIDRでも、血中プロジェステロン濃度は低下するものの受胎率には影響は無いようです。

 もちろん衛生面と洗浄・滅菌にかかる手間の問題は無視はできないのですがcoldsweats01

2015年11月11日 (水)

みず

凍結受精卵や凍結精液

慣れればその作製は簡単ですが、凍結の理論を理解するのは難しいです。weep

今日は少しその理論について紹介したいと思います。pencil
細胞外凍結という言葉をきいたことあるでしょうか?

細胞外凍結とはcute
温度が0度以下になると細胞周辺の水が凍りはじめます。しかし細胞内の水は-10度くらいまでは凍らずに過冷却しています。
過冷却した水はが細胞膜を通って外に移動し、細胞外の水と接することで凍結します。
そうやって、細胞内の水は外に出て行き細胞内溶液の濃度は高くなります。
温度が下がっていくと、細胞内の溶質と水が凝固し凍結は完了します!

ET研究所の受精卵もこうやって細胞外凍結によりつくられているのです。

「生物細胞の機能の中心をなすものは水であり、凍結融解はその水の作用を抑制しようとすることである。」(僧都 博)

水って簡単に冷凍庫で凍るのに細胞の水を凍らせるの奥が深いのです。confident

2015年11月10日 (火)

DeLavalの搾乳ロボット

先日、新得のロボット搾乳の農家さんにて、こんなものを発見してしまいましたeye

さて、これは何でしょう?

Image_4


拡大して見てみると。。。

Image_5


そうです、DeLavalにて発売された「herd navigator(TM)」です。

噂には聞いていたんですが、まさか十勝にも導入している農家さんがいたとはsign02

海外では一般的に販売されてますが、日本で導入している農家さんは、まだ数件だとか。。。

この機械は、搾乳ロボットにて絞られたミルク中のプロゲステロン、LDH、BHB、尿素を定期的に調べることで、発情の有無、ケトーシス、乳房炎、牛の給餌状態を知ることができます。

Image_6


これが、色々な項目を調べるためのカートリッジです。


これを導入された農家さん曰く、発情は見逃さないし、妊娠の予測もできるし、乳房炎の早期発見ができるから、とても助かっている、だそうですhappy01

機械のお値段もそれなりにしますが、今後の群管理、繁殖管理の効率性や、受精適期の見逃しによる空胎期間の延長にかかるコスト等を考えると、意外とすぐに経営プラスになっていくのかもですね。


あ、決して私、DeLaval社の回しもんじゃないですからcoldsweats01

2015年11月 9日 (月)

UFO

先週は、牛に装着している鼻環で牛の管理をする技術を開発していると言う記事を書きましたが、今週はまたまた牛の管理について書かせていただきま~すhappy01

今回は、オーストラリアなどの広大な牧場をお持ちの方々にとって画期的な技術ですので、かなりスケールアップした技術となりますleftright

それは・・・

「宇宙から監視eye」ですrock

なんとsign01衛星に搭載した装置を経由して牛の体重を毎日軽量・記録し、牧草の状態を観測するという技術なんですcatface

オーストラリアの牧場は面積があまりに広いうえ、遠隔地や厳しい環境にあることから、ある調査によると平均で年1.5回しか牛の体重測定を行っていないそうですtaurus

また、定期的に点検出来る牧草面積もわずか2%なんだそうですbud

日本と規模がまるで違いますからねcoldsweats01

衛星も使えたら使っちゃいますよね・・・笑

私達も誰かに「宇宙から監視」されているかもしれませんよ・・・sign03

むふふ

2015年11月 6日 (金)

送別会

本日は、ET研究所に半年間研修に来ていた全農岩手県本部のSさんの送別会でした。

ピザとワインのお店で、美味しい料理を囲みながらワイワイ楽しみましたdelicious

Img_1821 

住み慣れた故郷を離れ、北海道で初めての一人暮らしをしながらの長期研修ということで、

色々と苦労があったとは思いますが、本当にお疲れ様でした!

半年間ともに過ごした仲間がいなくなってしまうのはさみしい限りです…weep

 

またいつでも遊びに来てくださいね~。

県本部でのますますのご活躍を期待していますhappy02

2015年11月 5日 (木)

短角急上昇

 ET研場内においても受卵牛として飼養していると以前ご紹介した「日本短角種」。

 サシが入りにくく、赤身を楽しむヘルシーなお肉が期待できる牛ですが、その素牛市場価格がとんでもないことになっているそうですeye

(短角牛人気に供給追い付かず 価格高騰、農家直撃 岩手日報2015/11/02)

3年前まで10数万円だった市場価格が、今秋では約45万円と、4倍近く高騰しているそうですupwardright

上場頭数自体は残念ながら減ってきているそうで、そういった背景も市場価値の高騰に影響しているようです。

 和牛も高ければF1も高く、ホル雄も高く、短角も高い。肥育農家の方々の立場を考えると心苦しくなりますsweat02

 一頭45万円なら受精卵を作ってもいいのでは?と思いつつも一頭10万円台に戻ったら「誰がこんな卵作ったんだ!!」みたいな感じになるかもな・・・と市場を読むことの難しさを考えつつ今日の筆を置かせていただきます。

2015年11月 4日 (水)

みにくいあひるのこ

アンデルセン童話「みにくいあひるのこ」をご存知でしょうか?

みんなと違うといじめられるみにくいアヒルの子。
しかし、本当はきれいな白鳥だったのです!

誰もが知っている感動のストーリーだと思います。

実験室では週に4回ほど体外受精卵を育てるのですが、みにくいあひるのこを彷彿とさせる卵と出会いました。

Pb020100

一番右が普通サイズの卵。
左と中央の卵・・・大きい!

成長した美しい姿を見るためにただいま培養中です。

2015年11月 2日 (月)

鼻環

今日は牛の鼻環のお話です~sign05

牛に鼻環をつけることによって、引き運動、爪切り、病気の治療を行うときなどの保定や飼養管理面で牛を扱いやすくすることが出来ますtaurus

日本の農家では、約84%で鼻環の装着が行われているそうです(Wikipediaより)

その鼻環に生体情報を検知するシステムを組み込み、繁殖や健康管理に役立てようという研究開発が進められているそうですよflair

牛の体温や血流を測定するセンサーと無線モジュール、GPS等を備えた鼻環を開発し、これを牛の鼻中隔に装着することで、リアルタイムに生体情報が得られるようにし、その情報を無線を通じて情報端末に送信出来るようにするそうですphoneto

開発されれば、発情の予測や病気の早期発見と感染症の拡大予防におおいに役立つと予想されますhappy01

ところで、鼻環について調べていたところ、岡山県に「鼻ぐり塚」と言う牛の鼻環が奉納される場所があることを知りましたが、みなさん知っておりますか??

家畜全般の供養をしている場所らしいのですが、食肉として処理された牛や病気で死んでしまった牛などの鼻環が全国から集められてうず高く積み上がり、現在では690万個以上の山となっているそうですfuji

http://i.gzn.jp/img/2008/11/23/hanagurizuka/hanagurizuka.jpg

なんだか見ると複雑な心境になってしまいますが・・・despair

牛さん達に感謝ですねthink