子宮炎の痛み!?
子宮炎による繁殖成績低下にお悩みの方は多いと思います
その原因の一つとして,陰部から悪露が出ている顕著なケースを除いて,
子宮炎の診断がなかなか容易ではないということもあるのではないでしょうか。
臨床獣医2月号において,子宮炎の新たな評価方法についての記事が載っていたので
紹介します
Journal of Dairy Scienceに掲載された海外論文を,宮崎大学の北原先生が
翻訳してくださったものです
「乳牛における子宮炎に起因した内臓痛の評価」 (Stojkov et al. 2015)
乳牛の背中に色つきワックスを塗り,直腸検査時の背弯姿勢を撮影したのち,
下に示した図のように定量的に評価したそうです
直腸検査を行っている際の背弯姿勢は,子宮の触診の有無にかかわらず
子宮炎罹患牛が健康牛に比べて有意に広くなったとのこと
この原因として,子宮炎罹患牛では炎症によって痛みに過敏となり,
触診に敏感に反応する可能性が考えられるとのこと
ウシにおいても,子宮に炎症があると内臓の痛みが生じるようです
多少の苦痛には文句も言わずにぼーっとしているように見えるウシたちも,
実はとっても繊細なんですね
直検時にものすごく背弯するウシがたまにいますが,もしかしたら
どこかに痛みを抱えているのかも
ウシの苦痛を減らすには,技術向上あるのみです
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