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2021年5月20日 (木)

直腸温と妊娠率の関係

今回は、直腸の温度とホルスタイン牛の妊娠率との関係性
について調べた論文を紹介します。

Effect of rectal temperature on efficiency of artificial insemination
and embryo transfer technique in dairy cattle during hot season

本実験は、ハンガリーの5つの農場で2017-2018年の7-9月の間に
行われました。
直腸の体温測定は、デジタル体温計で、
AI・ETを行う直前に3回計測し、その平均値を求めました。
実験に用いた牛は、未経産牛でAIをしたもの(未経AI)が282頭、
経産牛でAIをしたもの(経産AI)が1181頭、
未経産牛でETしたもの(未経ET)が168頭でした。

結果として、
未経産牛群では、直腸温が38.2℃から0.2℃上昇することで、
妊娠率は54.5%から10%低下しました。
また、AI牛群では直腸温が0.3~0.5度上昇することで、
妊娠率は19.2%からおよそ9%低下することが分かりました。
未経ET群では、直腸温が約0.7℃上昇することで、
妊娠率が65.2%からおよそ12%低下しました。
いずれの群でも、直腸温の上昇に伴い、妊娠率が
低下しました。

また、直腸温を39.1℃以上とそれ以下の群に分けると、
全ての群(未経AI・未経ET・経産AI)で39.1℃以上の
群は、妊娠するまでのAI・ETの回数が有意に多くなりました。

受胎する可能性の高い牛と低い牛を、直腸温を計測することによって、
見極めることができるのであれば、とても簡単でいいですね!

AM

コメント

やはり、そうですか。

我が家に来る授精師さんが、冗談半分本気半分で
「授精依頼の電話したら直ぐにビニールチューブ入りの氷菓を膣に入れておいたら受胎率上がるかも」と言っていたのを思い出しました。

ごく一時的なので、どうなんでしょうね?

いつもコメントありがとうございますshine

論文の考察を読んでみましたが、なぜ体温が高いと妊娠率が下がるかについてはほぼ触れられていませんでした。
しかし、先行研究においても、高体温だと受胎率が低下し、胚死滅の割合も高くなるという結果が出ているようです。

受精直前に膣を冷やすことで、もしかしたら受胎率は上がるのかもしれませんが、その後の環境は母体に依存するので、結果として無事健康な子牛が生まれるかどうかに差がつくかというと、難しそうですね・・・。

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