採卵性の遺伝的改良
黒毛和種の採卵を行っている際に
この血統は良く受精卵がとれることが多いな~
と思ったことはありませんか?
今回は、黒毛和種の採卵性形質について、
どの程度の遺伝性があるのか調査をしてみました。
Estimation of genetic parameters for superovulatory
response traits in Japanese Black cows
Journal of Animal Science, Volume 99, Issue 10,
October 2021, skab265
本論文では、黒毛和種ドナーの採卵記録を対象として
遺伝的パラメーターと呼ばれるものを推定しております。
採卵性形質の遺伝率(全分散に占める遺伝分散の割合)
は17%~26%であり、採卵性の遺伝的改良が
可能であることを報告しています。
また、採卵性形質の育種価(遺伝的能力)にはかなりの差が
あることもわかりました。
つまり、遺伝的に採卵性に優れるドナーを選び、選抜ができるということです。
この技術を用いて、ドナーの採卵性を改良し、受精卵の効率的製造、
原価を下げ、より安価な受精卵供給へとつなげることが
できればと考えております。
これからも現場に生かせる研究をモットーに
研究を続けていきたいと思います。
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