受精卵の性判別
これです。
最近はX精子も普及してきましたが、
超人気どころの種雄牛のX精子は製造されないのが普通です。
なので現在も、「受精卵の性判別」の御依頼を多くいただきます。
そこで、一番気になることは「その後の受胎率」ですよね?
上のように「バチーン」と細胞を切り取るので、
受精卵にとってはかなり大きなダメージがあることでしょう。
また、実際にET研の実験室を見学していただく方には、
必ず「受精卵の性判別」を行う顕微鏡の前で、性判別の説明をさせていただきますが、
最も多い質問が「受胎率は?」です。
私は自信を持って、
「80%は超えますよ」
とまじめな顔でお応えしていますが。。。
そこで、年度ごとの性判別受精卵(新鮮のみ)の受胎率を出してみました。
10年前(平成15)年のファイルをひっくり返して、
60日目受胎率を出すと77.5%でした。
ありゃ?
そこで、平成15年以降10年間の年度ごとの成績を計算してみると、
最高年度85.7%
最低年度は70.3%
そして約10年間の平均60日目受胎率は。。。。
83.7%
今後もまじめな顔をして
「80%は超えますよ」
と言わせていただく予定です。
しかし、ダメージを受けているにもかかわらず、
性判別受精卵の受胎率は高いですね。
なぜでしょう?
恐らくですが、我々は
①性判別を行う受精卵は高品質のみ
を徹底しています。
また、
②透明帯が切れているため、孵化しやすい
のも影響しているかもしれません。
あと、この「受精卵の性判別」で、
雄判定が出ることはもちろん残念なことですが、
考え方をかえると、
受精卵の段階で雄を排除できるツールとしてご利用いただいてはどうでしょうか?
「受精卵の性判別」に対するご要望・ご質問等、お待ちしております。
すごい受胎率ですが。
凍結は一般的な全農ET卵と変わりない方法でしょうか?
投稿: 多治見 | 2013年7月27日 (土) 18:14
今回は新鮮のみの受胎率をお示ししました。凍結となると、一筋縄ではいきません。凍結についてはまたの機会に紹介させていただきます。
投稿: zennoh | 2013年7月28日 (日) 08:39