霜降りと赤身のあいだ
全農ET研には現在550頭あま余りの黒毛和種供胚牛がおり、日々未来の霜降り肉となる受精卵の製造に勤しんでおります。
一方先日土佐あか牛を採卵するために導入した記事もありましたが、それだけでなく受胚牛として日本短角種も導入しております。土佐あか牛にしろ、日本短角種にしろ、脂肪交雑は和牛のそれと比べると低く、ヘルシーです!ET研にいるだけでも近年の健康志向の高まりをひしひしと感じる一方、こんなニュースを見つけました!
牛肉「脱霜降り」…“畜産王国”九州でも赤身肉の消費者ニーズに舵
MSN産経ニュース 2014.6.26
鹿児島県にある1万3千頭もの肉用牛の繁殖から肥育、販売まで一貫して自社で手がけるカミチクという企業が、赤身肉の人気を受けてブラックアンガス種(スコットランド原産の肉用種)と黒毛和種を掛け合わせ、薩摩健気黒牛(けんきくろうし)として平成13年から販売を始めました。
現在は大手スーパーとの固定契約を結ぶなど好調で、総出荷の半分を占めるほどまで成長したとのことです。
飼料価格と素牛価格が高騰する中で、生産コストが霜降り肉より低い赤身肉に注目が集まっているとの事でした。
北海道でも稚内にある「宗谷岬牧場」において、アンガスもしくはホルスタインと黒毛和種の交雑種である「宗谷黒牛」が日本最北の銘柄としてブランド化されています。
時代のニーズに合わせて生産形態を見直していくことの大切さを改めて感じました
一方交雑種に人工授精を行った場合、その子は市場において黒毛でもアンガスでも交雑種でもない「その他肉用種」として扱われ、枝肉評価が非常に低くなってしまいます
「開いた腹には全農の受精卵を!」ということで、交雑種を主として使用されている生産者の方も一産取り肥育を検討してはいかがでしょうか?
最後に余談ですが「黒牛」と聞くと「黒毛和種」と思ってしまう消費者の方もいらっしゃると思われるので、売り手買い手ともに注意が必要だなぁと思いました
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