短角牛の発情観察
先日も記事にしましたが、現在10数頭の日本短角種を育成しています
この子らは発情があればその1週間後にETをおこなう予定になっています。
がしかし、この子ら待てど暮らせど明確な発情を見せません
そこで生殖器の状態を直腸検査で確認してみると、半数はまだ発育が十分でないとわかったのですが、残りは明確な黄体が形成されており発情がきているようでした。
しかしどう見てもスタンディング発情のあったとは思えない状態…
日本短角は自然交配が一般的になっています。ということは圧倒的な割合の日本短角種が雄牛と同居し、繁殖の適期になれば勝手に交配してくれるわけです。
このことから推測するに、日本短角種は雌同士でスタンディングをする必要性(人による発情発見)がないためにその性質が失われているのではないでしょうか?
勝手な推測ではありますが、人工授精が主体の黒毛和種やホルスタイン種にくらべ圧倒的にわかりにくい発情の説明にはなるのではないかと考えています。
仕方ないのでこのこらは発情同期化プログラムと定時のETをおこなっています。
実施した際の受胎性はかなり高いと感じていますので繁殖性が悪いわけではなさそうです。
品種による違い、飼育方法による違いなどが様々なところに影響しているのでしょうか?
常識を覆してくれるこの子らからなにか新たな発見があるかもしれませんね
垂涎…高いから導入したくても買えない。
発情兆候強いのはAI時に有利なのでAI普及期にそのような牛が選抜されたからかも知れません。
ホルモン処理で何とか受胎、なんてのを繰り返してる昨今はどんどん見せなくなってますよね。
挙句には発情兆候なんてもの伝説になるのではないかと恐々としてますが、短角自然交配故のよく分からない兆候はより本来に近いものだと考えています。
投稿: hourai | 2014年8月 3日 (日) 08:20
hourai様
いつもET研ブログをありがとうございます。
広く動物のことを考えた場合に、雌同士で繁殖行動(?)をとるというのは牛くらいで教科書的にも羊はないみたいですね…。
やはり日本短角がより自然な姿なのですね。
一方で同期化などの繁殖技術の向上が牛の繁殖を難しくしていると考えると複雑な気持ちになりますね。
投稿: | 2014年8月 4日 (月) 18:53