最初が肝心
特殊なRNA(リボ核酸/時間が経つと分解して残らないため安全性が高いといわれています)を
使い、受精卵が細胞分裂する際の様子を3次元動画で観察し、
染色体異常の有無を見分ける方法を大阪大学の山縣特任准教授らが開発したそうです
特殊なRNAを受精卵に注入すると細胞内の染色体が光り、
細胞分裂時の染色体の動きを確認することができるようになります
この技術を元に、不妊治療で余った受精卵を観察したところ、
70個の受精卵のうち、約26%が最初の分裂で染色体をうまく分けられませんでした
特に36歳以上の女性患者の卵子にその比率が高く、
年齢と共に卵子が老化するという事実を裏付ける結果にもなったようです
マウスでも同様の実験を行ったところ、最初の分裂で染色体異常を起こした受精卵は、
母体に移植しても流産していまうという結果になったそうです
ちなみにマウス受精卵にRNAを注入して子宮に戻したところ無事に出産したので、
RNA注入の影響ではないそうですね
現在のところ、ヒトの受精卵に特殊なRNAを注入して
子宮に戻したという報告例はないそうですが、
この検査法でより流産しにくい受精卵を選び出すことができるのではと期待されています
受精卵はかなり初期の段階でその後の運命が決められてしまっているのですね
ET研ではと場由来の卵子を使って研究を行っておりますが、
卵巣がたくさんあるときは採取できた総卵子数が1000個以上になるときもあります
果たしてこの中で何%くらいの卵子が正常に卵割しているんでしょうかね
BSEが発生してからと殺場内に1日卵巣を保存しているのでその影響もありそうですね
牛では、最初の卵割のときに割球が均等にきれいに分かれているかどうかで
染色体異常かどうか判断する方法も報告されておりますよ~
効率よく受胎能の高い胚を選抜出来る可能性があるので
体外受精で移植を行う場合にはチェックをすると良いですね
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