外れちゃダメ!
国立成育医療研究センターの研究グループが
哺乳類の染色体についている特定の物質が外れると、
受精卵が正常に育たず流産することをマウス受精卵を用いて世界で始めて明らかにし、
科学雑誌Nature Communicationsに発表しました
http://www.nature.com/ncomms/2014/141114/ncomms6464/pdf/ncomms6464.pdf
これまでの研究から、イグジストという遺伝子が
X染色体を働かなくすることが知られていました。
そこで、染色体を構成するヒストンというタンパク質に注目し、
卵子由来X染色体のヒストン上にイグジストの機能を止めるための「目印」を発見しました。
この目印は、ヒストンのリジンというアミノ酸に、
メチル基という構造が結合してできています。
この目印があると、卵子由来のX染色体のイグジストは機能しないため、
X染色体は機能することができます
一方、精子由来のX染色体は目印を持たないので、
イグジストが機能するため、X染色体は働きません
このように、哺乳類の精子と卵子にあるX染色体は、
受精すると精子のX染色体だけが働かなくなり、受精卵が正常に成長していきます
しかし、卵子のX染色体についているメチル基が外れてしまうと、
卵子のX染色体も一緒に働かなくなり、受精卵が正常に育たなくなるそうです。
同じような仕組みがヒトにもあるそうで、今後の研究によって不妊・不育症に対する
新しい治療法が開発されるかもしれませんし、
牛や豚などの動物においても同じ仕組みがあるのであれば、
受胎率や体外受精において胚の発育の改善に繋がるかもしれませんね
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