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2015年3月31日 (火)

追い移殖の有効性

リピートブリーダー牛への不受胎対策の一つに、追い移植(人工授精を実施し、さらに人工受精後7~8日目に移植する方法)があります。


この追い移植、人工授精3回以上実施しても受胎しなかった乳牛が受胎した!!という農家さんの喜びの声を聞くことができ、大変有効な方法だと思っております。


しかし、なんで追い移植がこんなにとまり易いのか?
授精でとまっているの?
ETでとまっているの?
子宮内に胚が複数個あることが子宮および黄体に何らかの影響を与えているの?

この「複数個の胚の影響」に着目して、過去にこんな報告があったのでちょっと紹介。


題:「牛胚の両側子宮角移植および人工授精後の追い移植による子牛生産」

目的:経産牛49頭に複数個の胚を両側子宮角移植、および人工受精後に追い移植し、妊娠率と胚生存率の推移および子牛生産について検討を行った。


方法:29頭には発情後7日目に黄体側子宮角に2胚、非黄体側子宮角に1胚、合計3胚の胚を移植。20頭には発情時に人工授精を行い、7日目に非黄体側子宮角に2胚を追い移植した。妊娠および生存胚数は移植後、20、40、60、80日目にエコーにて調べた。


結果:3胚の両側子宮角移植では高い多胎妊娠率および多子分娩率が得られたが、移植後早い時期での胚死滅率と妊娠中期以降の流産発生率がやや高く、結果として移植頭数に対する子牛生産率は低かった。
これに対して追い移植は多胎妊娠率はやや低下するものの、妊娠率が安定して推移し妊娠中期以降の流産発生も少なかった。

日畜会報, 67(8):732-739, 1996より引用


以上の報告から、複数個の胚が受胎に及ぼしている可能性は低いと考えられます。
また、産子が授精由来か、もしくは胚由来か調査した報告もあり、その結果は一定しないという結果でした。

追い移植の謎。。。。

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