実用化なるか?
様々な細胞や組織に変化する能力を持つヒトの胚性幹細胞(ES細胞)や
人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使用して、
傷ついた体の組織を修復する治療法の研究が行われておりますが、
やはりヒトの臓器を体外で作るのは難しいとされています
しかし、英科学雑誌nature電子版にヒトのES細胞やiPS細胞に、
マウス受精卵と混じり合って変化、増殖する能力を持たせることに
近畿大農学部の研究チームが成功したと発表されました
これまでヒトのES細胞やiPS細胞は、マウス受精卵に移植しても
増殖や分化はしないとされていましたが、
「Wnt抑制剤」という化合物を加えるなどの新たな方法でヒトのES細胞を培養し、
着床後のマウス受精卵に注入すると下半身に成長する部位に定着し、
神経や筋肉などの元となる細胞に分化したそうです
iPS細胞も同様に増殖がみられたそうです
この研究は将来、ブタなどの動物の体内で人間の臓器を作り、
臓器移植に使う研究に応用できる可能性がありますね
国内では現在、倫理上の問題からヒトの細胞を導入して
動物の子を作ることは禁じられています
すぐに実用化に結びつくものではないですが、
ヒトの発生の仕組み解明にも期待がされる研究です
コメント