子宮水症
導入して間もないホルスタイン種未経産牛のエコーによる生殖器チェックをしていたら、次のような所見と遭遇いたしました
子宮に液体が貯留していると思われる腔が見られます。画像が悪くモヤモヤ白く見える部分がありますが、実際に見た際は特にエコジェニックな浮遊物は見られませんでした。
一見妊娠かと思ってしまいますが、胎子はもちろん胎膜のような影もなく、胎膜スリップも触知できませんでした。また導入して間もないことから、誤って授精したという可能性も低いと考えられます。
卵巣上には、右側に黄体が見られました。
子宮内に薬注を試みましたが、子宮頚管が細く、歪曲しており、頚管拡張棒を挿入することもできませんでした。
以上より、本牛の病態は、子宮頚管閉塞あるいは重度の子宮頚管狭窄に続発する子宮水症あるいは子宮粘液症であると考えられました。
黄体遺残を併発していると考えられたため、PGF2αを投与して、経過を観察しています。
頚管が閉塞していたら手の打ち様がないですが・・・。
無事発情が来て貯留物が排出されることを願います
(参考:獣医繁殖学 第4版 文永堂出版)
heat-sync行ってみましょう。生殖器未熟なら発情期に併せてE2投与を繰り返すというのもアリかと。
投稿: hourai | 2015年6月26日 (金) 20:11
houraiさま
いつもブログを拝見していただきありがとうございます。
なるほど、heat-syncのようにE2投与する方法であれば子宮頚管拡張が望めますね!勉強になります!
因みにこのウシはPG投与3日後に発情兆候が見られたので、再度エコーで見てみたら、見事液体は排出されておりました!子宮内膜を整えるために職場のベテランET師にお願いしてイソジンの子宮内注入を行ってています!
投稿: Matt | 2015年6月29日 (月) 11:44
こちらの症例は受胎しましたが、上手くいきましたか?
こういう場合のheatsyncは効果絶大のようでAI師歓喜してました…
未経産通らない症例は無くせるかもです。
あっ、獣医師以外の治療行為は法律に懸りますから、誤解無きよう。
この場合はJAの持ち駒という事になるでしょうけれども、解釈の分かれる所です。
投稿: hourai | 2015年8月 8日 (土) 00:42