秘密のレシピ?
ヒトのiPS細胞から精子や卵子の元となる「始原生殖細胞」を、従来の手法より数十倍も効率良く作製する方法を開発したと、京都大学の研究チームが発表しました
この論文は、米科学誌Cell Stem Cell 電子版に掲載されております
この研究チームは、ヒトのiPS細胞に2種類の試薬を加えて2日間培養し、血液や筋肉の元になる細胞を作製しました
その後、この細胞に別の4種類の試薬をかけ、8日間培養した結果、最大で約60%が始原生殖細胞に変化したのだそうです
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/photonews/article.html?id=20150717-OYO1I50001
なんだか料理のレシピみたいですね
たまに自分も研究を行っていてお料理に通ずるものがあるな・・・なんて思っていましたが
ヒトのiPS細胞から始原生殖細胞を作製した報告例は国内外でありますが、多くの場合、作製効率は1%未満と低かったのです
このチームでは、これまでにマウスのiPS細胞から始原生殖細胞を作製し、マウスに移植し、精子や卵子に変化させ、子マウスを誕生させる実験に成功しています
今後は、ヒトの精子や卵子が作製できるかどうかが研究の焦点になります
国の指針では、ヒトのiPS細胞から始原生殖細胞や精子、卵子を作るのは生命倫理に触れるため規制されていますが、研究機関の倫理委員会の承認などを条件に認められているそうです
ただ、作製された精子や卵子を受精させることは禁止されています
ヒトの生殖細胞が出来る仕組みの解明や、不妊症の原因解明などの研究に活かされそうです
ヒトの研究はなかなか研究材料を手に入れることが難しいでしょうから、今後の研究に大いに役立ちそうな成果ですね~
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