早い者勝ち!のはずが…
受精現象は,1個の卵子に1個の精子が侵入することにより起こります。
卵子に侵入する際に精子はその尾部を切り離して頭部だけになり,さらに頭部は核へと変化していきます。
精子の核は卵子の核へと近づいていき,この二つの核が融合することで受精卵となります。
一方卵子は,精子が侵入すると,膜の構造を変化させて他の精子の侵入を防ぎます。これにより,何億個と射精された精子のうち,たった1個の精子のみが卵子に侵入することができます。
受精は生命誕生の第一歩となる神秘的な現象ですが,実はその様子を目で見ることができるのです
ピンク色の丸い円のようなものが卵子です。
そして,卵子の左上(時計でいうと11時くらい)の位置に移っている二つの赤い楕円形の物体が,つまり卵子と精子の核です。今まさに融合しようとしているところでしょうか。
先ほど,卵子の構造が変わることにより,2個目以降の精子の侵入を防ぐと書きましたが,卵子の状態が悪かったりするとこの変化が起こらず,たくさんの精子が侵入してしまします。これを「多精子受精」と言います。
この写真では核がなんと5つもできています
多精子受精が起こった場合,残念ながら胚の発生は途中で止まってしまいます。
一番最初にたどり着いた精子だけが受精できる早い者勝ちのルールは,正常な胚発生のために不可欠なんです
精子の皆さん,ルールはきちんと守りましょう!!
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