世界の体外受精卵生産
先日参加したIETSにおいて,世界のOPU/IVF事情についてのシンポジウムがありました
2014年に世界中で生産された約1200万個の受精卵のうち49%がIVF胚だそうです
IVF胚のうち3分の2はブラジルをはじめとする南アメリカで生産されたものだとのこと。
(Blondin, Reprod Fertil Dev, 2017より )
グラフの中でオレンジ色の棒がIVF胚,青色が体内胚の生産個数ですが,
体内胚が横ばいなのに対し,IVF胚の生産はどんどん増えてますね
体内胚とIVF胚の生産個数が逆転する日も近いかもしれません
IVF胚の生産個数が増え続ける理由としては,培地の改善による発生率の向上,
性選別精液の利用に加え,OPU/IVFによりゲノム選抜をスピードアップできるという
メリットがあるそうです
ただし,IVF胚のうち凍結胚の割合は20%程度と低いままです
IVF胚は体内胚よりも耐凍性が低いため,凍結技術の改善が急務であると感じました
もちろん,凍結に耐えうる高品質IVF胚の生産効率向上も重要です
世界の体外受精卵生産の現状と課題が見えてきたところで,ET研究所も
立ち止まることなく技術向上に励んでいかねばならないと,気合を入れなおしました
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