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2021年2月15日 (月)

ETで受胎しないときは

みなさん、ETの成績は順調ですか?
長くこの仕事をしていると、壁にぶち当たり自信を失うこともあるものです。

さて、そんな時どうするか。
ETはもうやらん!というのは勿体無い。

その前に基本に忠実にETができているか確認するべきでしょう。
凍結卵であれば融解の方法が正しいか?
意外と風や直射日光も影響するので要注意です。

移植のタイミングは適切か?
発情後7日くらいが適期ですが、発情の発見は正しかったか。

移植の方法は適切か?
子宮角深部にちゃんと注入できているか、黄体側に移植できているか、清潔な移植ができているか?

さて、ここでちょっと考えさせてくれる報告があったので紹介します。
ヒトのETにおいてですが、膣、経管、移植後のカテーテルから細菌が分離できるかできないか。また、その時のETの成績を調べています。
(Does bacterial colonization during embryo transfer have an impact on pregnancy rate in ICSI? : Tunisian preliminary results. 2021)
移植後のカテーテルから細菌が検出されるということは、子宮内に細菌がいる、もしくは膣や経管の細菌を子宮内に持ち込んでしまったことを意味します。
カテーテルから細菌が検出されなかった場合の受胎率が60%を超えるのに対して、細菌が検出された場合の受胎率は何と0%!!(n=9)

例数は少ないですが、子宮内に細菌を持ち込むことが悪さをしていることは容易に想像できるかと思います。
移植の際はカバーを使っている方が多いと思いますが、そのカバーちゃんと経管の入り口で破ってますか?途中で破れて膣の細菌を持ち込んではいないでしょうか。

経管の細菌を持ち込むな、というのは難しいですが細菌の検出頻度は 膣>経管 なので、カバーの適切な使用はETの成績やその後の繁殖性に影響していると考えられます。

つらつらと書きましたが、もしETの成績に悩むことがあれば1つ1つの作業を基本に忠実に戻すことが大事です。陰部は清潔に、汚れを内部に持ち込まない。みなさんわかっていることですが。
慣れてくると、まあいいかと疎かになる点も出てくると思いますが、常に意識して作業をしていれば自ずと結果は安定してくるでしょう。

まあ、連続で5頭くらいマイナスが続くと今でもETが億劫になりますが、自分と牛と受精卵を信じて今日も頑張りましょう!

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