エネルギーの貯蓄と受胎率との関係
体内に十分なエネルギーがあると受胎しやすいよねという
論文を紹介します。
Inferences of energy reserves on conception rate of
suckled Zebu beef cows subjected to TAI followed by natural mating
こちらの研究では、BCS・ランプ(腰から尻にかけての肉)の
脂肪の厚み・生涯体重と、受胎率との関係性を調べました。
266頭のZebu肉牛について、分娩前165±14日、分娩時、
分娩後42±7日(排卵同期化の処置を始める日)、
82±7日(AI後30日)、112±7日(AI後60日)に、
上記3つの項目について計測しました。
供試牛は繁殖期の初めに排卵の同期化処置を行い、AIが終わって
10日以降は、この試験が終わるまで雄牛と供に放牧しました。
BCSの値が最も高い牛群は、AI後60日の時点での受胎率が
最も高く、また、流産する確率も他と比べて減少していました。
また、分娩前165±14日・分娩時に、ランプ肉の脂肪とBCSが十分
な牛は産後も受胎しやすくなることがわかりました。
一方で生涯体重に関しては、ほとんど関連性は見られませんでした。
単純な体重だけでなく、それぞれの体格に合った
適切な体型を保つことが、受胎率の向上に繋がるということですね。
ちなみに栄養素はまず最初に脳にとられ、その次に
心臓や肺、肝臓、泌尿器系にとられ、最後に生殖器、皮膚という
ように、その個体の生存に必要な順で吸収されるようです。
生殖器や皮膚はそこまで生存に大事ではないので、
栄養素が足りていないと、多くを他の臓器にとられて、
末端にまで及ばなくなってしまいます。
栄養バランスのとれた給仕をすることが繁殖にはとても重要になってきますね。
AM
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