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2021年3月18日 (木)

生後何日でお父さんになれる?

 6週齢のマウス精巣から精子のもととなる精子幹細胞を取り出し、成体の雄マウスからとってきた精巣の一部と一緒に培養してやると・・・精子ができた!という論文が発表されたのが2011年のことで、人間に応用できれば精子形成が開始される前の若者からでも精子が作れるのではないかと期待されました(こちらの論文)。

具体的にこの事例の何が良いかというと、第二次性徴前の若者がもしがんになってしまった場合、治療によっては生殖能力が低下する恐れがあります。そのときに治療前にとっておいた精子幹細胞があれば、子供を作ることができるかもしれません。

今日紹介する論文では、マウスではありますが「もっとフツーの培養で」「もっと若い年齢で」同じように精子形成ができるかを試した論文です。

In vitro production of haploid germ cells from murine spermatogonial stem cells using a two-dimensional cell culture system
Theriogenology. 2021 Mar 1;162:84-94.doi: 10.1016/j.theriogenology.2020.12.024. Epub 2021 Jan 5.

この論文では精巣との培養を行わず、生後5-9日のマウスの精子幹細胞にたいして通常の細胞培養を行ったのですが、
①培地に血清を入れる代わりに、一部をKSRと呼ばれる代替物に置き換えた
②精子形成で重要となる減数分裂を促すといわれるレチノールという物質を添加した

ことが功を奏したようで、減数分裂を起こす細胞の割合が増え、精子のように少し細長くなった細胞も出現したそうです。
ただ冒頭で紹介した論文とは異なり、さすがにしっかりとした精子の形をしたものはできなかったようで、そこはやはり精巣との培養が現時点では優れているようです。

もしこれが実現すれば人間でも幼稚園児で(生物学上は)お父さん、ということが可能になるかもしれませんね。

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