胚段階でのゲノミック選抜について
ゲノム育種が現場に導入され始めてしばらく時間が経ちましたが、
子牛市場等でもゲノム育種価が公表されるところが出始め、
機運が高まっているような気がします。
遺伝的改良を効率よく進めるためには、世代間隔、選抜の正確度等が
重要となります。
Potential of preimplantation genomic selection for carcass traits in Japanese Black cattle
Journal of Reproduction and Development 65, 251-258.
この論文では受精卵をバイオプシーし、15細胞ほど切り取りDNAを抽出、
残りをガラス化保存して、ETしております。
15細胞ほどでも全ゲノム増幅を行うことによって、大部分の受精卵で
ゲノム育種価予測可能な精度のSNPデータを得ています。
また、バイオプシーした受精卵をETした際の受胎率は、
41.9%であり、バイオプシーなしの受精卵を移植した場合より
多少低い程度であると報告されています。
受精卵段階でゲノミック選抜ができれば、
世代間隔が劇的に縮まり、
より効率的な遺伝的改良が期待できます。
ET研牛群のより効率的な改良、
高能力受精卵の製造の為にも
今後、研究として取り組んでいきたいです。
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