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2012年6月

2012年6月29日 (金)

ET研の新兵器

不受胎の要因は様々ありますが、泌乳牛におけるエネルギーバランスの崩れもその1つです。

近年、血液成分と受胎の関係を評価する試みをET研究所でもおこなってきました。

そのうち、BUN(血中尿素窒素)と血糖値のバランスが崩れた牛の受胎率が低いという報告があり、ET研究所でも調査した

ところ、ホルスタイン種でBUN(mg/dl) / 血糖値(mg/dl)の値が0.3以上である牛の受胎率が0.3未満の牛よりも受胎率が

低い結果になりました。

つまりBUNが高く、血糖値が低い牛の受胎率が低かったのですdown

では、なぜBUNが高く、血糖値が低いと受胎性が悪くなるのでしょうか?

BUNはタンパク質が過剰に給与されると上昇します。タンパク質は牛のルーメン内で分解され、アンモニアへと変換される

のですが、その量が過剰になると肝臓でのアンモニアの代謝が間に合わず、全身に悪影響を及ぼします。

子宮内のアンモニアが増加すれば、受精卵にダメージを与えることになり、受胎率は低下すると考えられますshock

また血糖値が低いというのはエネルギーの不足が考えられ、このエネルギー不足もアンモニアの代謝を鈍らせます。

  

では、このようなエネルギーバランスが崩れた牛を受胎させるにはどうしたらいいでしょうか?

当研究所では科学飼料研究所と共同で開発した添加剤を使って、受胎率の向上を図っていますflair

その添加剤がこの

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とまるちゃんです。そのまんまですねcoldsweats01

ですがこのとまるちゃん、中々の好成績をあげてましてdash

当研究所の試験結果では1日100gを15日間給与するとだいたいの牛は給与後にBUN/血糖値の値が0.3を下回り、

当初BUN/血糖値が0.3を超えた牛でも受胎率の改善がみられましたsign03

とまるちゃんに含まれるアミノ酸がアンモニアの生成を減らし、糖蜜がエネルギーを補足し血糖値を上昇させるようです。

120629_191328

とまるちゃんについて興味がありましたら是非ET研究所までお問い合わせくださいnote

2012年6月28日 (木)

新しい暑熱対策?

今回は、ウィリアムマイナー研究所にいる僕の同期から来る、デイリーインフォ、という記事の一部を
紹介させていただきますhappy01

今回のデイリーインフォは、“Washington State University Extension”より、
暑熱対策の特集を教えてもらいました。

その中で、新しい暑熱対策として、“伝導冷却”というものを紹介しておりました。
どのような冷却方法かというと、牛床の下に水冷式の放熱気を設置する、
というものだそうです。
稼働費用は安いとのことだそうですが、どのように使用していくか
(他の冷却システムとどのように組み合わせるのが効果的かなど)
は、研究段階のようです。

ペット用の冷却シートを想像してしまいましたが、
安価で効果のある暑熱対策用品ができることを期待してしまいます。

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本日、新ETシステムの黄体チェックの帰りに寄った道の駅(温泉)には
全国からキャンピングカーがひしめきあっておりました
(山口、福井、三重、etc...)。

いくら暑くても、人は暑ーい温泉spaが大好きのようです。

十勝晴れ

今週月曜日から十勝では真夏日が続いています。

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牧草の刈り取り、サイレージ作りが十勝管内では

一気に進んだようですsun

114

今年の牧草は比較的良好なようですconfident

今年の繁殖成績に期待ですshine

2012年6月26日 (火)

TED:採血なしの血液検査

「TED」にはいつもお世話になってます。

みなさん、プレゼンうますぎshine

今日は、分野はまったく異なりますが熱き研究開発者のスピーチです


YouTube: Myshkin Ingawale: A blood test without bleeding

血液検査を非侵襲的行えるツールを開発したそうです。

心打たれたのは、プレゼンの最後sign01

カッコいいですねscissors

ミシュキンさんを真似て、

「2020年には、世界の受胎率は大きく改善されています!」

と言えるような革新的な技術を開発できる日は来るのか・・・・な。

いやいや、がんばりますよdash

2012年6月25日 (月)

必需品!

卵子や受精卵を扱う上での必需品!

それは・・・マウスピースwink

培養液中に入っている小さな卵子や受精卵を拾い集めたり、

違う培養液に移動させたりする際にはこのマウスピースが欠かせませんsign03

Photo_2

この水色の方を口にくわえて、反対側にはガラスのピペット(パスツールピペット)をつけます。

息を吸ったり吐いたりすることで、ピペット内に卵子を入れたり出したりすることができますscissors

Photo_3

チュルッnoodleと口まで卵子を吸ってしまわないんですか?と聞かれることがよくあります。

私も最初は思いましたが、ご安心をpaper

かなりの吸引力がないとそこまでは吸えませんcoldsweats01

マウスピースは手作りしているのですが、shinemyマウスピースshineを持ったときはうれしかったですlovely

ちなみに今のマウスピースは口から手元までくらいの長さしかありませんが、

大学時代は首の後ろを通して手元までもっていっていたのでかなり長いタイプでした。

自分の使いやすいように変えられるのが手作りのいいところですねconfident

ちょっと見づらいですが、こんな感じで使ってます↓

(マウスピースがちょっとしか写ってませんね。笑)

Photo_4

2012年6月24日 (日)

新ETシステム@鳥取!

先日、鳥取にてチルド受精卵を持って移植に行ってきましたsign01
Fuji_2
 ↑ 飛行機から見えた富士山。上空から初めて見ました。


22頭移植候補がおり、そのうち20頭移植を行いました。
Embr


今回、移植候補のうち、9割以上の牛が、黄体のしっかりついた牛でした
(移植中止した2頭のうち1頭は、黄体がついていたのですが
体調不良で移植を中止しました)。
飼養管理がしっかりしていたrestaurant、というのも要因の一つなのですが、

Sens

同期化の前に、40頭以上もの牛を選畜していただいた先生のおかげです。
ありがとうございました。

Kumi

西日本くみあいのお二人も、移植の記録、補助、非常に助かりました。
午前中に終わったのもお二人のおかげです。ありがとうございました。
飛行機まで時間ができたので・・・
Kita_convert_20120626063530

きちんと妊娠維持しますよーにsign03
またよろしくお願いしますconfident


2012年6月22日 (金)

名称募集のヒーロー

最近おもしろいニュースを見つけましたhappy01

鹿児島経済連が新たなキャラクターの名前を募集しているそうです。

そのキャラクターがこれです↓

20120607131317_1

むちゃくちゃ強そうですね…coldsweats02

ちなみに命名者には鹿児島黒牛1年分が贈答されるそうなので考えてみてはどうですか?

2012年6月21日 (木)

いざ鳥取

Imag0097

明日は鳥取へ旅立ちます!
チルド受精卵とともに、いざ鳥取へsign01

typhoon台風の影響が無いことを祈って…airplane


2012年6月20日 (水)

台風4号・5号

皆様のところは台風の被害にあわれなかったでしょうか?bearing

早くも台風5号が近づいてきておりますのでまだまだ気をつけられてくださいcoldsweats01

こちらは今晩あたりから温帯低気圧に変わった台風4号が来そうですtyphoon

Dscf2405

北海道では今月でもまだ最低気温が4度といった寒い日もありますが、

台風が梅雨前線を押し上げるといよいよ夏が来ますねsun

ヒートストレス対策には十分お気をつけてくださいconfident

2012年6月19日 (火)

見た目で受精卵の性別を当てる?

Cmr

そんなことができればいいですねscissors

以前、「雄?雌?」でも紹介しましたが、ここ数年で2,000個近くの受精卵の性判別を担当しました。

2,000個もやれば「受精卵の顔つき」で性別が判断できるように・・・・・

はい、なりませんdown

しかし、本日は「ある表情」のとき、雄の比率が多いように感じるというお話です。

(これからお示しすることは私見です。同調者はおりませんのでご注意ください。)

それは、受精卵が全体的に「黒い」時・・・。

それでは、受精卵の「黒さ」とは何でしょうか?

牛受精卵は<脂質>の量で黒さが異なります(多いほど黒くなる)。

脂質はエネルギーの源なので、卵子や受精卵には大切な物質です。

しかし、それが多すぎると受精卵の品質が低下したり、凍結に対する抵抗力が弱くなることが知られています。

さらに、この「黒さ」は動物種によっても異なります。

マウス卵子は透明に近く、顕微鏡下で染色体の場所が確認できるほど。

また、豚卵子は脂質が非常に多いため牛より「真っ黒け」

従って、豚の卵子や受精卵の凍結保存は牛と比較して難しいのだと思います。

さて、性別の話に戻りましょう。

「黒い」と感じた受精卵の雌率を精査すると、何と25.3%・・・coldsweats02

なぜ、「黒い」受精卵は雄が多い傾向にあるのか?

?????

では、なぜ、「黒い」受精卵が生産されるのか?

それは、母親の体内環境によるものではないかと推察しています。

その要因としてエネルギーバランス、ホルモンバランス、餌、年齢、遺伝などが挙げられると思います。

これらのことから、予測できるトンデモ系仮説は・・・、

黒い卵子を排卵するような体内環境の母親に授精された精子は、Y精子が選択的に活性化(あるいはX精子が不活化)。

黒い卵子はY精子が入りやすい構造(あるいはX精子が入りにくい)。

③受精時の性比は普通に1:1であるが、初期の発育段階で雄側へ偏りが生じる。

また、この「黒さ」が、受精する精子(雄側)の要因である可能性も捨てきれません。

いずれにしても「なぜ、黒い受精卵は雄が多いのか?」を証明することは難しいようです。

これがupwardright真実であるかもわかりませんし。

性比コントロール・・・、やればやるほどドツボにはまりそうです。

念押しいたしますが、これは私見であり、「黒い」という判断もNile Red等で染色して黒さを測定したわけではありません。

「今日の受精卵は黒いから凍結に対する抵抗性が低いかなー」とノートに印をつけたものをまとめたものです。