1990年、大学の恩師が論文を発表しました。
液体窒素で凍結融解を数回繰り返した牛精子を1匹ガラス管に吸引し卵子に注入する。
いわゆる「顕微授精技術」を用いて、死んだ(動かなくなった)精子からも正常な産子が誕生することを証明したわけです。
世界中がビックリ仰天
恩師がアメリカで学会発表後、新聞記者から「永久凍土に眠るマンモスの精子も利用できるのでは?」と質問を受けたことが、
現在も続いている「マンモス復活プロジェクト」発足のキッカケ。
最近では顕微授精のみならずクローン技術も応用されているようですね。
私も大学では、あこがれの恩師と顕微授精に関する研究に従事することができました。
1990年当時のご苦労話を聞くと、
成功までの道のりはかなり険しく、失敗の連続だったそうです。
精子を注入した卵子の数、1万個以上・・・
しかーし、ある日の真夜中、実験を担当する学生さんから電話で、
「先生・・・、発生してます・・・。」と
急いで大学に向かったそうです
ブレイクスルーはいきなりやってくるらしいです・・・
ブレイクスルー様、心よりお待ち申し上げております!
ちなみに上の写真は、ET研で行われた顕微授精の様子。
「黒い脂質」を遠心操作で一か所に集め、卵子内を可視化し、精子が確実に注入されたことを確認します。
精子を注入する先端径7μmのガラス管や卵子を保定するガラス管は自作品です。
恩師の匠の技を継承しています
今日は、卵子や受精卵等を培養する機械(インキュベータ)をお掃除しました
これがインキュベータでーす↓
気をつけているとは言え、ドアの開け閉めで空気中の塵やほこりが少しは入ってしまうし、
中は湿気っぽく、風通しの良くない環境になっているので、しばらく使っているとやはり汚れてきます
実験で使う大事な卵ちゃんを培養するため汚れは厳禁です
なので、毎日・・・とはいきませんが、清潔さを保つために定期的にお掃除しています
シャーレをのせるための棚も全部取り外して、隅々まで拭き取りました
アルコールをシュシュッとかけて拭こうとするとその匂いで酔っ払いそうになります(笑)
負けじと磨き続け・・・お掃除終了
どうですかピカピカになったでしょう
鏡のように実験室が映っていますね~すばらしい
すごく基礎的なことになりますが、研究を行う上でこういった部分も忘れず気をつけていきたいものです