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2012年12月

2012年12月28日 (金)

皆さま良いお年をお迎えください

本日28日をもちまして、今年の業務を終了いたします。

今年1年間、ET研究所をご利用いただきありがとうございましたsign01

さて、今日は締日ということで、研究所の大掃除でしたdash

いつもは額に汗を流しながら作業をおこなっていた採卵棟も日頃の騒がしさとは一転して静けさが漂います。

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検卵室もキレイに荷物が片づけられ、広々と感じられます。

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さて今年はどんな年だったでしょうか?ET研は名称の変更に始まりブログの開設など様々な取り組みを開始した1年であったように思いますconfident

来年も国内ETの最先端を走る研究所でありたいですねrun

来年もET研究所をよろしくお願いします。それでは皆さま、良いお年をお迎えくださいhappy01

2012年12月27日 (木)

明かりが乳量を増やす?

今回はウィリアムマイナー研究所にいる同期からくる、デイリィインフォの記事の一部を紹介させていただきますhappy01


(以前紹介させてもらった新しい暑熱対策の記事はこちら


今回のデイリーインフォは“Eastern Dairy Business”より、
乳量を増やすための長日光周期、という記事です。
これは、牛舎が明るい時間を16-18時間にすることで、乳量が2.3kg/頭/日増加するが、
光の種類によっては効果もない可能性もあり、また光源によっては経済性も変わってくるので
今後1年かけて試験をしていく予定です、という記事でした。


この記事にも書いてあるのですが、光に当たる時間を増やすと乳量が増加する
メカニズムはよくわかってないのですが、
メラトニンというホルモンが抑制されることによりプロラクチンとIGF-1の分泌が増加するため、
と考えられているそうです。
また、効果を得るには牛舎のどこに牛がいないと一定以上(150ー200ルクス)の光が必要があるとのことです。
日本でも最近ではないですが、同じような試験をしている報告もあり、
その時は採食量や採食時間に変化はなかったけど、採食活動が高まった、という報告でした。
なので、やはり単純に夜間のDMIの増加により乳量が増えるわけではないようです。


馬や羊は季節繁殖のため、メラトニンの分泌が
繁殖の季節にかかわっていることが知られています。
牛も、実は季節繁殖だった時期があり、
子供が春~夏(=長日光周期の時期)にばかり生まれていた時代もあったのかもしれませんね。
ああ、春産みの子牛たちを増やしたい・・・think

2012年12月26日 (水)

除角

除角は牛群管理する上で大事な作業です。

牛同士でど突きあいをすることがあるので、

もし角があると傷つけてしまうことがあるわけです。

冬場はハエなどの虫がいないので、

採卵している牛たちの除角を行っております。

経産牛には下の線鋸↓が出血が少なく便利です。

Imag0321

鎮静剤を打ってからこうやります↓

Imag0319 

切り終わった角です↓

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除角の際に気を付けないといけないのが、伝染病の伝播予防です。

一頭終われば別の線鋸を用いるか、消毒を行っております。

長くお世話になるかもしれない供卵牛ですので、

大事な作業になってきますshine

2012年12月25日 (火)

【タフな精子】求む!

約1年前の論文ですが、教科書が覆される報告がありました

Acrosome-reacted mouse spermatozoa recovered from the perivitelline space can fertilize other eggs

大阪大学とハワイ大学の共同研究です(PNASに掲載)

一般的に、精子は先体反応を起こし、卵子の透明帯を溶かしながら内部に侵入していくと考えられていました

また、精子が卵子に侵入するのは1回のみと教わった記憶があります

研究グループは、透明帯は通過するが卵子細胞質の中に入れないよう

(すなわち、透明帯と卵子細胞質の間の囲卵腔に精子がたまるよう)

遺伝子操作した精子と卵子を実験に供試しました

そして、囲卵腔にたまった精子(すでに先体反応が起こっている)を取り出し、

新しい卵子と共培養したところ、その精子は

再度透明帯を通過し、受精卵となり子供にまで成長することが明らかとなりました

ということで、少なくとも精子は2回卵子に侵入できることが証明されたのです

そこで、、、

透明帯は通過したが卵子細胞質内への侵入を他の精子に許してしまった場合、

受精をあきらめずに、透明帯を脱出し、また新しい卵子に入っていくくらい【タフな精子】

がいれば繁殖効率がかなり改善されますね(過排卵処置時のAIに限りますが)

すいません。。。

冗談です。。。

しかもこれだと透明帯を3回通過しないといけませんね

しかし、うまく活用できれば少ない精子数でも効率よく受精させることができるかもです

特に体外受精

こちらは冗談ではありません

あっ、メリークリスマースxmas

2012年12月24日 (月)

びっくりニュース

今日はクリスマスイブですねxmas

みなさんどう過ごされていますか?

クリスマスイブということで(?)、

遠く離れたロシアでは先日こんなびっくりニュースがありましたflair


YouTube: 牛を乗せたトラックが目の前で横転する事故

対向車に接触したトラックが横転してしまったようですbomb

幸い、運転手とウシさん達にも大きな怪我はなかったようですdash

ウシさんびっくりしたでしょうね、かわいそうに・・・

こちら十勝は例年に比べて雪が多いような気がしますし、

会社帰りに道路から落ちてしまっている車を見ることもしばしば・・・

みなさんくれぐれも車の運転にはお気をつけ下さい。

また、インフルエンザも流行し始めたとのニュースもありましたので、

年の瀬に体調を崩すことのないよう注意しましょうsweat01

今年も残りわずかとなりましたconfident

年越しに向けて、今週も1週間がんばっていきましょうrocksign03

2012年12月21日 (金)

移植に走って約3年

今日は今年最後の新ETシステムの移植にいってきましたrvcardash

数えてみると今年平成24年はなんと826頭の牛に新ETシステムで移植をおこないました(北海道内ET研移植のみ)goodshine

昨年の平成23年は583頭、一昨年は450頭、新ET開始の3年前は10頭(12月のみのため)と年々移植頭数が増加していることがわかります。

つまり生産者の皆さまに新ETシステムが浸透してきたこと、また支持をしていただいたためだと思いますので非常にうれしいことですねhappy02

今後もさらなる移植頭数拡大のため、努力してまいりたいと思いますup

本州ではまだ新ETの移植はありますが、来年も新ETシステムをよろしくおねがいしますsign01

牛の妊娠期間

牛の妊娠期間は、ホルスタイン種や黒毛和種で280-290日前後と知られています。

また、最近色々な方とお話をしていると、黒毛和種の妊娠期間がちょっと伸びているんじゃないか、
というような話も聞きます。
岩手県の報告によりますと、平成19年は平均して285日より4.6日長くなり、
また冬場の妊娠期間は(寒くない時期より)1日長く、
産次別では産次が進むにつれ妊娠期間が2日くらい長くなってくる、
と報告があります。
また、雌よりオスのほうが1日長く、
種雄牛は、産子の父の影響は系統的な傾向はみられなく
産子の母の父が資質系だと比較的短い牛がみられたそうです(もちろん血統はのってませんでした)。
教科書的には低栄養であるほうが妊娠期間は長くなるそうです。
ホルスタインが黒毛和種の受精卵を移植すると、
黒毛和種の妊娠期間となる、という報告を昔読んだことがあります。
なので、黒毛和種の受精卵移植をおこなっている方は、
285日+α前後だと妊娠期間は考えたほうがよさそうです。

2012年12月19日 (水)

運動してますか?

最近めっきり寒くなりました。

寒くなると家の中に閉じこもりがちになりますよね。。

しかし男性の皆様sign03

今年こんな論文が発表されました。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22234399

日ごろ座りがちの生活を送っている人は、

精子の運動性、形態の正常性に加え、ホルモン濃度まで

運動する人に比べ低いそうですsweat02

ある授精場の方がよく種雄牛の引き運動をされている

というのを聞いたことがありますし、

牛でも同様のことが言えるかもしれません。

2012年12月18日 (火)

子宮に少量の液を入れると血流量が上昇する

12月4日の記事に引き続き、

国際受精卵移植学会(IETS)ネタです

いまいちスッキリしない結果ですが、

「子宮に何か入れる」ネタが好きなんです。。。

これもサンパウロ大学の報告(12月4日の記事と同じグループ)

INFLUENCE OF LOW-VOLUME UTERINE FLUSHING ON UTERINE VASCULAR PERFUSION AND ENDOMETRIAL THICKNESS DURING EARLY DIOESTRUS IN BEEF CATTLE

15頭の経産牛にAIを実施

AIと同じ発情周期の6日目に少量(20mL)のPBSを非黄体側子宮角へ入れて、

マッサージ後PBSを回収

そして、子宮の血流を観察すると、

非黄体側子宮角のみならず黄体側子宮角の血流が上昇するそうです

で肝心の受胎率がどうなるかというと。。。

書かれてない。。。

15頭じゃ何とも言えないという感じでしょう

彼らの予想は、この血流の上昇が受胎率にいい影響をもたらすのではというものです

手間がかかるため、ちょっと現場では応用できそうにない技術ですが、

知見としては面白いです

免疫系も大きく動きそうかな

2012年12月17日 (月)

線引き

突然クイズですsign03

これは何をしているところでしょうか?

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見たままシャーレにカッターで傷をつけている(線を引いている)で・す・が、

この線、採卵した受精卵を探すのに重要ですrock

採卵後、受精卵が浮遊している子宮還流液をこのシャーレへ入れますtyphoon

その中から受精卵のみをピックアップしているわけなのですが、

受精卵の大きさから考えたら、このシャーレいっぱいの還流液は大海原のようですねwave

(ちょっとおおげさですが・・・)

ですので、シャーレの裏側についている傷を目印に大捜索するのですeyeglass

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ちょっと写真が見づらくなってしまいましたが、

うっすらと見えている白い横線がカッターでつけた傷ですleftright

私は赤い線で示したように横に見るタイプですねeye

こうしてみんなスナイパーさながらの鋭い目つきで

「狙った獲物は1つたりとも逃しません」という感じで検卵しておりますshine

検卵の際にはシャーレ内を2回チェックして、

さらにもう1度取りこぼしがないかしっかりとチェックしていまーすwinkgood