雄雌
哺乳類の性は性染色体XとYの組み合わせにより、決定されています。(雄→XY、雌→XX)
そして雄と雌の差が初めて生じるのは、妊娠中期頃の胎仔の体内の
生殖巣原基という組織が精巣、卵巣になることで体が雌雄へと形作られます
この生殖巣原基が精巣、卵巣のどちらかになるのかは、雌にはないY染色体上の
性決定遺伝子「Sry」が発現するかしないかによって決定されると報告されておりました
しかし、雄雌の違いを生み出す基となる生殖巣原基そのものを作り出す仕組みや
「Sry」を働かせる機構については十分に解明されていませんでした
熊本大学でマウスを使った試験により、遺伝子発現を調整する転写因子である
「Six1/Six4」が生殖巣原基の素となる細胞を作り出すのに重要な遺伝子の発現を
コントロールしていることが判明しました
また、「Six1/Six4」は「Sry」の発現をコントロールしている遺伝子の発現を
さらに上流で調節していることも明らかとなりました
と、いうことで「Six1/Six4」が生殖巣原基を作り出すことと、
雄になる最初の仕組み(性の決定、Sryの発現)を
コントロールしているということが示されました
この報告は、発生生物学の専門誌「Developmental Cell」に掲載されております
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