借り玉、精子生産
中々興味深いニュースがあったので報告します。
(Donor-derived spermatogenesis following stem cell transplantation in sterile NANOS2 knockout males.2021)
ヤギで他の個体の精巣に精子の素になる細胞を移植して精子を作らせた、という報告です。
どういうことかと言いますと、NANOS2という遺伝子を破壊(KO)すると、精巣の構造に問題はないのですが精子ができない個体を作る事ができます。
このNANOS2-KO個体(レシピエント)の精巣に他の個体(ドナー)の精子を作る素の細胞(精子幹細胞)を移植すると、なんとドナーの精子をレシピエントが作り出したそうです。
理論的には可能だと思うのですが、現実のものとなったことは大きな衝撃です。
今回は、マウス、ブタ、ヤギで成功しており、さらにウシでもKOはできているのでウシへの応用も時間の問題です。
他の個体の細胞が入ったら免疫で除外されそうな気もしますが、とりあえずは大丈夫だったようです。
ただ残念なことに、できた精子には受精能?が無いようで、そこに免疫との関連も考察されおり、今後の発展に期待したいところです。
ヤギにウシの精子作らせるとかが実現するのも時間の問題ですね。
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